映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

心の筋トレ(映画)

グラン・トリノ あのセリフ「No No No...」って

昨年10月に観た「グラン・トリノ」 久しぶりに2回目視聴。 何か映画観たいなあと思った際に、あの静かな、そして男のケジメの付け方を描いた映画をまた観たくなったわけです。 味わい深かったですね。 自分もまた歳をとったからなのか。 ウオルト・コワルスキ…

居間の暗闇で父は何を思っていたのか...「わらの犬」

本作は1971年製作のアメリカ映画で、日本公開は1972年4月。 サム・ペキンパーの代表作には「ワイルドバンチ」「ゲッタウェイ」「ガルシアの首」「戦争のはらわた」などがあります。 1.居間の暗闇で父は何を思っていたのか 1)再度、観たい映画 映画を観る…

やんちゃなこどもは秘密基地を作る.....「ぼくらの七日間戦争」

本作は1988年公開の角川映画作品です。 宮沢りえの映画デヴュー作で、彼女は、日本アカデミー賞の新人賞を受賞しています。 1.やんちゃなこどもは秘密基地を作る 1)いかだで川に漕ぎ出す 私が小学校1,2年生の頃の話です。 そうですね、もう何十年も昔…

ホラー映画おすすめ 実はホラーではない.....「クワイエット・プレイス」

本作は2018年公開のアメリカのホラー映画です。 宇宙からやって来た怪物、この怪物は盲目なんですが、極めて鋭敏な聴覚を有しており、それを利用して人間を食い散らかしていて、そんな荒廃した世界で生き延びていたのがアボット一家との対決を描いた作品です…

フィンランドへ留学する娘のためにも.....「俺はまだ本気出してないだけ」

本作は、小学館「月刊IKKI」に連載されていた、青野春秋(あおのしゅんじゅう)原作の漫画を実写化したものなんです。 主人公の大黒シズオ40歳が、何のプランもなく会社を辞め、突然、漫画家を目指すことから様々な事件を巻き起こすコメデイ作品です。 私、…

あに図らんや もう一転するとは.....「12人の優しい日本人」

本作は1957年シドニー・ルメットによるアメリカ映画「十二人の怒れる男」(12 ANGRY MEN)へのオマージュとして、「もし日本にも陪審制があったら?」という仮定のもと製作された作品です。 本家と同様にキャラの立った12名の陪審員が終始、一つの部屋の中で…

アクション映画 おすすめは、アクション映画らしくないアクション映画.....「ザ・コンサルタント」

The Accountant (会計士)と呼ばれている男クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)はマフィアなど世界中の様々な犯罪組織の会計業務(裏帳簿)を請け負っているが、「たまには合法的な仕事もしてみよう」とある企業から依頼された使途不明金に関する会計…

あっと驚くラストシーンのモノクロ映画.....「月曜日のユカ」

映像の早回しや、画面の縮小ほか多数のテクニックにより「テクニックの人」と呼ばれた中平康監督による作品。 ただ本作では、そのテクニックが映画の一部分を台無しにしているとも批判されているようです。 「小悪魔」「和製ブリジッド・バルドー」と呼ばれ…

これでいいのだ!男の本望を演じてみせた名脇役 俳優 高品格.....「麻雀放浪記」

阿佐田哲也氏の小説を元に作られた作品です。 本作は麻雀を知らなくても楽しめる作品になっていますよ。 私自身も麻雀のルールは知らないし全くやったこともありません。 また監督の和田誠さんはイラストレーターの方で、本作が初の監督作品でした。 彼の「…

これが実話を基にした映画だとは考えさせられる.....「運び屋」

クリント・イーストウッドは1930年生まれですから、88歳の時の映画ということになりますね。しかも監督・主演を務めます。 80歳代でシナロア・カルテルの運び屋になった退役軍人レオ・シャープの実話に基づく映画とのことですが、レオ・シャープは逮捕時87歳…

男のおもちゃの詰まった倉庫に憧れる.......「グラン・トリノ」

本作は2008年の映画ですから、1930年生まれのクリント・イーストウッド、78歳ということになります。 朝鮮戦争を経験し、フォード工場で50年勤務、年金暮らしをする頑固な老人を演じて、これまた渋くて、いい味を出してるんですよね。 タイトルになっている…

「おっとぉ~?!」どんでん返し 映画 名作と言えば.....「真実の行方」

1996年公開の法廷ドラマですが、サスペンス映画といったほうがよいでしょうね。 ある殺人事件の裁判が紛糾を極める中で、驚くべき事実が判明します。 しかし話はそれで終わりません。 最後の最後に驚きのどんでん返しがあります。 また名優・怪優(?)エド…

どんでん返し映画の古典 日本語タイトル付け方に疑問?.....「情婦」

本作は、1957年製作のアメリカ映画で、アガサ・クリスティの小説及び戯曲『検察側の証人』を原作とする法廷ミステリー作品です。 どんでん返し映画の傑作としていまだに取り上げられる古典的作品です。 1.どんでん返し映画の古典 日本語タイトル付け方に疑…

学生寮、そして下宿。共同生活には不向きな自分.......「ワンダーウォール」

本作はNHK京都放送局制作の「京都発地域ドラマ」としてNHKBSプレミアムで2018年7月25日に放送されたTVドラマ(59分)が、未公開カットを加えた68分間のディレクターズカット版として劇場公開されたものです。 脚本は朝ドラ史上最高傑作として名高い「カーネ…

昔の給食はまずい思い出........「おいしい給食Final Battle」

「おいしい給食」は、2019年に放送されたテレビドラマを映画化した作品です。 1980年代の中学校を舞台に「給食絶対主義者」の男性教師と「給食マニア」の男子生徒の給食にまつわる闘いを描いた学園グルメコメディ。 主演は市原隼人さん。 1.昔の給食はまず…

鍛えられた声量.....迫力ある一喝.....「駆込み女と駆出し男」

江戸時代、幕府公認の縁切寺であった東慶寺を舞台に、離縁を求めて寺に駆け込んでくる女性たちのために聞き取り調査を行う御用宿の居候である見習い医師が、様々なトラブルに巻き込まれながら訳あり女性たちの再出発を手助けしていく様を描いた作品です。 一…

しじみは体に良いんですよ.......「川の底からこんにちは」

上京して5年目、会社も5社目、彼氏も5人目と、仕事も人生も妥協して生きてきた主人公の木村佐和子(満島ひかり)が実家に戻り、病気で倒れた父親の営むしじみ加工工場の再建に奮闘する姿を描いています。 2010年、第36回ヨコハマ映画祭日本映画ベストテン第6…

これは好みが分かれるでしょうね~多くを語らないSF映画の傑作........「囚われた国家」

本作は2019年のアメリカのSF映画。 エイリアンによる侵略に対抗する映画ではなく、既にエイリアンに統治されてしまった後の世界を描いています。 エイリアンに支配され、都市を封鎖され、警察とドローンに監視される社会、しかもエイリアンの支配下において…

何度も観るうちにサムライに見えてきた.......「プレデター」

本作は1987年のアメリカ映画。 地上波においても、1989年から2019年の間にもう17回も放送されている誰もが知る作品です。 またAVPも含め既に6作の映画作品がありますね。 本作はその「プレデター」シリーズの記念すべき第一作です。 主演はアーノルド・シュ…

ボクサーが喧嘩するとこんな感じか.......「3-4✖10月」

本作は1990年の作品。 北野武の監督2作目ですね。 1作目は「その男、凶暴につき」(1989)です。 本作は興行的には惨敗だったようですが、その後、評価が高まった異色の作品です。 1.目が光っていた最強ボクサー 1)ボクシングファンでした 幼いころは相撲…

1974年のジャーマンスープレックス.....「デッドプール」

「デッドプール」は「デップー」の名でも知られる、マーベル・コミックを基とした作品です。 「X-MEN」の映画シリーズとして累計8作品目となります。 1.1974年のジャーマンスープレックス 1)1974年3月19日 1974年3月19日といえば、蔵前国技館(懐かしいで…

法廷ドラマと思っているとちょっと違いますよ.....「告発」

アルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込んだという実話に基づく映画ということなんですが、史実にどこまで忠実に製作されたのかという点に関しては疑義があるようです。 アルカトラズ島は南北戦争(1861‐1865)の前後から監獄としての役割も果たすようになり、そ…

映画監督の頭の中を覗いてみたい.....「月に囚われた男」

1.映画監督の頭の中を覗いてみたい 1)2001年宇宙の旅 「2001年宇宙の旅」(2001:A Space Odyssey)(1968)を初めて観たのは確か、中学生か高校生の時だったか。。。 勿論、映画館で。 難しかったですね。。。 「あの黒い板」は何? 何かの象徴?? とい…

スチールブックは収集したくなりますよね.....「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

映画をDVDやBlu-rayで視聴することも多いのですが、最近、耳にするのがスチールブック。 何のことかわからなかったのですが、要は、Blu-rayディスクを金属製のケースに収めているんですね。 普通のプラスチックケースと違って、パッケージデザインとか質感と…

何故か家に黒板があって...「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」

本作は1966年(昭和41年)に公開された映画で「ゴジラシリーズ」第7作。 製作は東宝、併営は「これが青春だ!」 1.何故か家に黒板があって... 1)映画の原点は「ゴジラ」 私の映画の原点はやはり「ゴジラ」映画にあると思うのですが、物心ついたとき、おそ…

「SPL/狼よ静かに死ね」先駆者ドニー・イェンを観て筋トレの方向性を考えてみた

本作でマー刑事を演じたドニー・イエンですが、当時、既にアメリカで人気のあった総合格闘技(MMA)や柔術などの要素をアクション映画にいち早く取り入れた先駆者と言えるでしょうね。 ドニー・イエンはエスクリマ(カリ)のナイフの使い方も研究していて、…

「KG カラテガール」高く美しいハイキックを観てジャックナイフ・ストレッチをしてみる

「KGカラテガール」は、ノースタント、ノーワイヤー、ノーCGを謳っています。 主演の武田梨奈と妹役の飛松陽菜の見せる空手アクションが面白い、というより絵になりますね。 武田梨奈は「ハイキックガール」(2009年)でデビューしましたが、それより彼女、…

「キック・アス」ヒット・ガールの軽やかな動きを観てモンキーウォークをやってみる

「キック・アス」(Kick-Ass)は、さえない主人公の青年が何のパワーもスキルもないのに、覆面ヒーロー「キック・アス」を名乗って正義のために戦うという話。 ここに、これまたヒーローの格好をした結構、エキセントリックな父娘が絡んでくる。 父が「ビッ…

「ダニー・ザ・ドッグ」受け身をとれるようになるためジャンピングプッシュアップする

「ダニー・ザ・ドッグ」(Danny the Dog) なんで「犬」なのかなと思っていましたが、主人公のダニー(ジェット・リー)が幼いころにさらわれ、まるで闘犬のような格闘マシーンに育てられたから、なんですね。 役柄のせいもあるでしょうけど、とても荒々しい…

「マッハ!!!!!!!!」ムエタイの回し膝蹴りを観てフロッグジャンプしてみる

タイのアクション映画も結構あるのですね。 主演のトニー・ジャーの名前は聞いたことがあったし、立ち技最強のムエタイを使ってどこまでアクションができるのかにも興味があったんです。 本作は、「ノーCG、ノースタント、ノーワイヤー」が謳われていますが…