映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

しじみは体に良いんですよ.......「川の底からこんにちは」

上京して5年目、会社も5社目、彼氏も5人目と、仕事も人生も妥協して生きてきた主人公の木村佐和子(満島ひかり)が実家に戻り、病気で倒れた父親の営むしじみ加工工場の再建に奮闘する姿を描いています。

2010年、第36回ヨコハマ映画祭日本映画ベストテン第6位と主演女優賞(満島ひかり)をW受賞、監督の石井裕也は第53回ブルーリボン賞の監督賞を史上最年少で受賞しました。

1.しじみは体に良いんですよ

1)しじみ加工工場 木村水産

本作を観るまでは川の底からこんにちはというタイトルはどういう意味なんだろうと思っていたんです。

主人公がどん底から這い上がるというテーマの映画で、それで「どん底」=「川の底」という表現をしているのかな?とか思っていました。

それが「ああ!そうか?!」とハタとわかるシーンがあります。

主人公の木村佐和子(満島ひかり)は、父親が病に倒れたために実家のしじみ加工工場を継ぐわけなんですが、工場再建のために、それまで歌われていた木村水産社歌(これがホントにダサい?!)を変えてしまいます。

この佐和子の作った社歌がとても勢いあっていいのですが、その中に「しじみ川の底からこんにちは」という歌詞がありました。

「そうか?! 川の底にいるのは、しじみか・・・」とここでようやく合点がいきましたよ。

2)しじみの栄養と肝臓

昔から「しじみは体に良い」と云われているんですよね。

今では、どう体に良いかを数値でもって科学的に示すことができますが、昔の人々はおそらく食生活から身をもって、しじみが体に良いことを理解していたのでしょうね。

「黄疸にはしじみを」といわれるほど効果があるとされているようです。

黄疸、おうだん、ですからね。

酒飲みにとっては恐怖のワードです。

黄疸というのは、血液中の赤血球が破壊され肝機能が落ちた状態なんですが、しじみに含まれるアミノ酸ビタミンB12が肝臓の働きを助け、改善してくれると言われています。

肝臓の機能を活性化させることができ、貧血や二日酔いなどにも効果を発揮するわけなんですね。

私も飲み過ぎた翌日にはよく、しじみスープを飲みます。

コクも旨味もあって、ちょっとしょっぱくて、いかにも体に良さそうな気がします。。。

というのも貝類には、特有の「甘味」と「旨味」があるからなんですね。

甘味を持つアミノ酸を多く含み、旨味の素となるコハク酸を含んでいるためだそうです。

そして、しじみは貝類の中でも最も多くコハク酸を含んでいるんだそうですよ。

美味しいわけですよね。

私のような酒飲みにとっては無くてはならない大事なものなんです。しじみは・・・

なんか「しじみ」の話ばかりになってしまいましたが、「そうかあ、そんな有難いしじみを作っているんだ・・・頑張ってよー」と、そんな思いで本作を観ていました。

でも佐和子の作った新しい社歌を社員(ほぼ、おばちゃん)全員で歌うシーンは出色!

社長(を引き継ぐ)佐和子を先頭に、目をむき出して、前のめりになって歌うシーンはとても迫力あって、強烈な印象を残します。

みんな体が前傾しているんじゃないかと思えるほどで・・・

どこか「怒り」も感じられて。

良かったです。このシーン。

2.「川の底からこんにちは」の作品概要

作品概要

作品名:「川の底からこんにちは

監督:石井裕也

3.あとがき

何と言っても「満島ひかり」さんですよね。

前半、自分のことを「中の下」と言ってしまうだるーい派遣社員が、後半、開き直って工場再建に突き進む、その開き直りっぷりがむき出しで。。。素晴らしいです。

彼女が出演している他の作品ももっと観たくなりました。