映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

「SPL/狼よ静かに死ね」先駆者ドニー・イェンを観て筋トレの方向性を考えてみた

本作でマー刑事を演じたドニー・イエンですが、当時、既にアメリカで人気のあった総合格闘技MMA)や柔術などの要素をアクション映画にいち早く取り入れた先駆者と言えるでしょうね。

ドニー・イエンはエスクリマ(カリ)のナイフの使い方も研究していて、本作でナイフの使い手を演じるウー・ジンのためには、エスクリマ・ナイフを武器とした設計を考えたそうですよ。

エスクリマ(カリ)というのは、フィリピンで行われている素手、棒やナイフ、紐といった武器術を持つ武術のことで、公式にフィリピンの国技と認められています。

1.ドニー・イェン総合格闘技

本作でも、総合格闘技柔術の技は随所に観ることができます。

例えば、倒れてからの下からの三角締め

相手の背後からの首絞め。

相手にタックルして、素早く足を相手のひざ下裏側に引っ掛け、倒す技。

裸絞め。

相手に飛びつき、相手と一緒に回転しての腕ひしぎ十字固め、それから更に、腕を固めたまま、相手の親指を除く4本の指をへし折る技。

いずれも流れるような動きで、素晴らしいですが、一番、目を瞠ったのは、殺し屋ジェット(ウー・ジン)のナイフと、マー刑事の特殊警棒の対決。

両者、目にもとまらぬ速さで警棒、ナイフを振り回します。

とても緊張感あるシーンです。

2.総合格闘技に必要な筋力

ところで総合格闘技に必要な筋力とは何でしょうか?

これはもう言ってしまえば、全身の筋力と言うしかない・・・です。

そして全身の筋肉がスムースに連携しないといけない。

またパンチ・キックを出す際の瞬発力も必要だし、3分間を戦い続ける持久力も必要。

そういう意味では、様々な部位を鍛える筋トレも、その組み合わせのサーキットトレーニングも必要でしょう。

そして中でも体幹の強化、ボディバランスというのは特に重要かなと思います。

3.体幹強化のための筋トレ

1)レッグスイング

そこで、これ。

以下の映像にある「レッグスイング」

片足をスイングするだけです。

股関節を柔らかくするトレーニングですが、思った以上に上半身も下半身もぐらつくので、体のバランス力、それと体幹の強さが養われます。

とてもシンプルで、簡単そうに見えるのですが、実際やってみるとフォームを崩さず行うのはなかなか難しいですね。

片足5回もできればいい方じゃないでしょうか。

注意すべきことは、呼吸を止めないということ。

回数よりもフォームを重視すること。

最初は片足3回でもいいと思います。

これが進化していくと以下の映像のようなこともできそうです。

2)キックドリル

これだけの蹴りを軽々と行っています。

なのに、体がぐらつかないですね。

股関節もとても柔らかいです。

腕立て伏せや腹筋など個別の部位を鍛える筋トレもいいですが、それだけでは使える筋肉にはならないように思います。

どちらかというと、できるだけ全身を鍛えられるような(全身の筋肉がスムースに連携していくような)筋トレ。

瞬発力と持久力の両方を養えるようなトレーニング。

体幹やバランスを鍛えるトレーニング。

柔軟性を養って怪我をしない体を作るトレーニング等々。

自分の体を思いのままにコントロールできるように、工夫していきたいものです。

ところで本作の原題は「殺破狼」

「シャー・ポー・ラン(Sha Po Lang)」と読むそうです。

これは中国の占星術において、吉凶ともに人生に極端な影響を与える“凶星”と呼ばれる3つの星(七殺星・破軍星・貪狼星)のことで、SPLとはそれらの頭文字なんだそうです。

4.SPL/狼よ静かに死ね 作品概要

作品概要

作品名:「SPL/狼よ静かに死ね」

2005年公開

監督:ウィルソン・イップ

マー: ドニー・イェン 甄子丹

ポー: サモ・ハン 洪金寶

ジェット: ウー・ジン 呉京