どんでん返し映画の古典 日本語タイトル付け方に疑問?.....「情婦」
本作は、1957年製作のアメリカ映画で、アガサ・クリスティの小説及び戯曲『検察側の証人』を原作とする法廷ミステリー作品です。
どんでん返し映画の傑作としていまだに取り上げられる古典的作品です。
1.どんでん返し映画の古典 日本語タイトル付け方に疑問?
1)どんでん返し映画の古典
先日「真実の行方」(Primal Fear)を観ましたが、その際、ドンデン返し映画の中でもトップクラスに評価されているこの「情婦」を知り、早速、観てみました。
エンディングクレジットにて「本作の内容を誰かにしゃべらないように」とわざわざ注意喚起されてもいますし、それでなくてもこの傑作についてはネタバレは厳禁といたしましょう。
なのであまり語れません・・・
一言で言うなら「無茶苦茶面白かった」です。
本作はモノクロ、冒頭からの出演者たちのやりとりやスローな展開に「やっぱり昔の映画だなあ、退屈かも・・・」とちょっと後悔もし始めたのですが、いえいえとんでもないです!
終盤にかけての盛り上がり方は素晴らしい!
そして来ました! どんでん返し。
でも油断してはいけません。
もっと驚きのラストが用意されていますよ。
監督はコメディ映画で有名なビリー・ワイルダー。
コミカルなシーンも多く、楽しめます。
そして何といってもマレーネ・ディートリヒ。
1901年生まれだから本作当時56歳。
ラスト近く、彼女の驚きの演技、これは見逃せませんよ。
私もDVDで視聴したものですから、「あっやられた?!」と、わざわざ巻き戻して、そこだけ2度観してしまいました。
「真実の行方」の方は、薄々その結末も予想できるかもしれませんが、本作では全く予想外の結末が用意されていました。
もう63年も前の映画なのに・・・恐るべし。
2)日本語タイトル付け方に疑問?
本作の原題は「Witness for the Prosecution」
そのまま訳すと「検察側の証人」
prosecution には、「起訴、訴追、検察当局、(仕事などの)遂行」という意味があります。
でも日本語タイトルは「情婦」
何なんですかね、このタイトルの付け方は?
と私も当初、疑問に思っていました。
「センスないな・・・」と。
でも本作を観終わった今、このタイトル「情婦」って、結構、深いな・・・と考え直しました。
なぜ「情婦」なんてタイトルを付けたのか・・・理解できたような気がしました。
深いんです。とても。
2.「情婦」の作品概要
作品概要
作品名:情婦(原題:Witness for the Prosecution)
監督:ビリー・ワイルダー
3.あとがき
本作はアカデミー賞に多くの部門でノミネートされながら受賞はありませんでした。
実は1957年にはあの名作「十二人の怒れる男」(12 Angry Men)も製作されており、アカデミー賞にも3部門でノミネートされましたが受賞は逃しています。
この年、多くの部門でアカデミー賞を獲得したのは「戦場にかける橋」(The Bridge on the River Kwai)だったんです。