「ダニー・ザ・ドッグ」受け身をとれるようになるためジャンピングプッシュアップする
「ダニー・ザ・ドッグ」(Danny the Dog)
なんで「犬」なのかなと思っていましたが、主人公のダニー(ジェット・リー)が幼いころにさらわれ、まるで闘犬のような格闘マシーンに育てられたから、なんですね。
役柄のせいもあるでしょうけど、とても荒々しい攻撃スタイルの格闘技を見せてくれます。
でもジェット・リー(当時はリー・リンチェイの名)の「少林寺」(1982年)を観たときほどの衝撃は、本作での彼のアクションに感じることはありませんでした。
1.ダニーのアクション
ダニーを育てた悪徳高利貸しのバートにより、金を滞納するギャングや宝石店主などを(犬のように)襲撃させられるシーンでは、荒っぽく必要以上に相手をボコボコにしてしまいます。
動きは早くて身体能力の高さは相変わらずですが、反面、格闘技の技の素晴らしさ、巧みさというものはあまり観られなかった気がしますね。
それでも一か所だけ、それはアンダーグラウンドの試合に初めて出場させられるシーン、開始早々、相手の喉への突き3発で倒してしまうシーン。
その間合いを詰めるスピードと、急所にピンポイントに突きを入れる正確さ、あっという間に3発立て続けに出せる突きの速さ、というのはとても印象に残りました。
2.ダニーの受け身
それらダニーの攻撃面よりも注目したのは、受け身。
例えば高所からアンダーグラウンドの試合場に背中から突き落とされるシーンでは、彼は、巧みに受け身をとって何食わぬ顔で試合場に立って見せます。
試合場の床はコンクリートのようだったけれど、落下の衝撃を和らげるよう、先に両手両足から着地してから前転して立ち上がっていますね。
受け身の基本は頭を守ることにあるので、前からでも背中からでも、突き飛ばされた際には、両腕を先に着地させて(衝撃を和らげつつ)頭や顔面を直接、床にぶつけないようにカバーしないといけないんです。
しかしこの時、両腕・両手にかかる負荷は大きいものがあるなあと改めて思いましたよ。
3.受け身をとれるためのトレーニング
では、こういう場面・状況に備えるとすると、どういうトレーニングがありえるだろうかと考えてみました。
前のめりに倒れる場面を想定すると、両手両足が先に着くようにするわけだから、これはもう腕立て伏せですね。
で、通常の腕立て伏せに落下の衝撃を加えてやればいいのではないかと思いました。
1)尺取り虫
そこで考えられるトレーニングが、一つは「尺取り虫」の動き。
腕立て伏せの姿勢から足を一歩ずつ前に進めていき腰を高く持ち上げる。
限界まで来たら両腕を思い切り前方へ投げ出し、床に手をついて、また腕立て伏せの姿勢をとる。
まるで尺取り虫のような恰好で、前方へ進む、というトレーニングです。
2)わに歩き
わにのように四つん這いになり、右手左足を前に出し、次に左手右足を前に出す、という要領で前進するトレーニング。
この時、できるだけ全身を低く構えることにより、より負荷をかけられますよ。
3)くも (ジャンピングプッシュアップ)
腕立て伏せの姿勢をとる。
足はやや広げておく。
腕立てのように腕を曲げて体を下げる。
通常の腕立て伏せ以上に、力をこめて思い切り腕を戻し、その反動でジャンプする。
このとき、少しずつ、両足が右方向に着地するように行ってみます。
つまりジャンプを続けると頭を中心にその場で一回転するというイメージですね。
逆方向へもジャンプを続けて一回転します。
この時、お尻が上がりすぎないように、通常の腕立て伏せのように頭からかかとまでが一直線になっている姿勢は維持します。
ジャンプして落下し、そのまま腕立て、という動きにより、特に両腕、両手、両手首に負荷がかかりますね。
最初は左右に一周ずつするだけでもクタクタになるはずです。
腕立て伏せなので大胸筋、上腕三頭筋に効くし、やってみると太もも内側にも痛みを感じるでしょう。
通常の筋トレではなく、このように動物や虫などの動きを取り入れたトレーニングは、面白いし、気分転換にもなるので時々取り入れてみてるんですよ。
4)前転・後転
固い床の上ではなく、マットなどが敷いてあるような場所で、前転・後転をやってみるのもいいと思います。
前転、開脚して前転、後転、開脚して後転など。
頭をできるだけ丸めて首の後ろの方で着地するイメージ。
特に後転は簡単ではないです。
私なんか、体も相当、硬くなってしまっているのでしょう。
体が硬いと怪我の元でもあるので、柔軟性を高める意味でも時々、こういう運動も取り入れてみたいですね。
4.ダニー・ザ・ドッグ 作品概要
作品概要
作品名:ダニー・ザ・ドッグ
監督:ルイ・レテリエ
ダニー:ジェット・リー