映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

何故か家に黒板があって...「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」

本作は1966年(昭和41年)に公開された映画で「ゴジラシリーズ」第7作。

製作は東宝、併営は「これが青春だ!」

1.何故か家に黒板があって...

1)映画の原点は「ゴジラ

私の映画の原点はやはり「ゴジラ」映画にあると思うのですが、物心ついたとき、おそらく小学校に入るか入らないかくらいの頃からゴジラ映画を観ていたと記憶しています。

勿論、自分たちだけでは街中(繁華街と言ってもいいと思うけど)にある映画館に観に行けるわけではないので、親にねだって観に連れて行ってもらう、ということが必要でした。

「自分たち」と言っているのは2歳離れた弟がいるからなんです。

当時は、封切された映画を映画館で観るか、もしそれを見逃すとその先いつ放送してくれるかわからないテレビ放送を待つか、しか映画を観る方法はありませんでした。

今ではネット配信もあるし、DVD・Blu-rayなどの視聴方法もあるし、当時とは様変わりなんです。

ですのでその封切された映画を映画館に観に行くこと、この一度きりのチャンスに賭ける情熱は相当なものがあったんですよ。

これを逃すともう二度と観られない、という思いでしたから・・・

私は、ゴジラ映画ですと、1964年公開の「三大怪獣 地球最大の決戦」からリアルタイムに観ていたように覚えています。

それが第5作で、この本作は第7作目です。

ちなみに一番好きな作品はシリーズ第6作怪獣大戦争」(1965)なんです。。。

2)親を説得する

この作品については映画そのものよりも、いかに親に(ほとんどは父親)連れて行ってもらうか、いかに親を説得するか、に苦心したことをよく覚えているので、印象深いんです。

当時はまだ借家の平屋に住んでいて、その後、父親が家を建てて移り住むまで、小学校3年生までを過ごした家なんですが、なぜか廊下の突き当りに「黒板」があったことをよく覚えています。

黒板と言っても学校にあるような大型のものでは勿論なく、小さめの伝言板みたいなやつでした。

何でそんな黒板が家にあったかは、今考えると不思議なんですが、でもちゃんと家にあったんですよね。

怪獣映画に連れて行ってもらうとなると夏休み、というイメージがあるのですが、本作はそもそも12月公開ですし、多くの昭和ゴジラシリーズは夏に公開されている作品の方が少ないので、おそらく私の記憶違いなんでしょうね。

どうも子ども時代を思い出すとランニングシャツに短パンという記憶が強いものですから・・・

3)黒板作戦

で、父親に連れて言ってもらうために考え出した作戦が、この黒板にゴジラの絵を描いてアピールすることだったんです。

黒板にはこれまた不思議なことに何種類かの色のチョークもセットされておりました

そして黒板は普段から廊下の突き当りに置いてありますから、必ず家族の皆が見るはずのものです。

さて、映画を観に行きたいという強い気持ちをアピールするには、やはり絵が上手じゃないといけないと考えたのでしょうね。

でも私はゴジラが大好きで普段から絵をよく描いていましたので、そもそも上手でした。

自分で言うのもなんですが・・・

数十年たった今でもゴジラの絵は何も見なくても書けますよ。

でも気持ちを込めて一生懸命、描きましたよ。

そしてまず母親にアピールします。

「見て、ゴジラの映画の絵なんよ・・・」と。

まずは母親を篭絡する作戦です。

父親が割に気難しい人でしたので、いきなり父親にアタックするより、まず母親、その方が確率が高いであろうと読んだのでしょう。

そして何日も何日も描き足したりしました。

熱心だったなあ~ほんとに。

それだけゴジラに賭ける思いは強かったですからね~

さて、結果はどうなったでしょう?

はい、それはもう首尾よくいきました。

映画は観に行けたのですが、その時の様子はこれまた不思議なことに思い出せません。

幼い兄弟を連れて街中にゴジラ映画を観に行く父親の気持ちを考えると、どんな心境だったのだろうと可笑しくなりますけどね。

映画を観に行った当日のことは思い出せないのに、黒板を使ってアピールしたことだけを異様にはっきり覚えているんです。

記念すべき第一作目のゴジラ」(1954年)は、後にテレビで観ましたし、アンギラスが出た第二作なんかは多分、後でリバイバルかなんかで観たのだと思います。

結局、昭和ゴジラシリーズはほぼすべて観たことになりますね。

でも、あの黒板作戦ほど鮮明に思い出せることはもうないですね・・・

2.「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」の作品概要

作品名:「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘

監督:福田純(本編)

円谷英二(特撮)

音楽:佐藤勝

3.あとがき

ゴジラ映画に限らず、映画館で映画を観る、そしてブザーが鳴って、館内が暗くなっていき、幕がするするっと上がる、あの瞬間ほどワクワクするものはありません。

そして怪獣映画となると、怪獣たちの最初の登場シーンほどワクワクするものはありません。

ゴジラ映画はまた音楽もかっこ良かったですし。

多くのゴジラ映画の音楽は伊福部昭さんですよね。。。素晴らしいですよね。

最近の映画だって勿論、海外のも含めてゴジラの最初の登場シーンはやはりワクワクします。

それはやっぱり面白いです。

特撮技術も凄いですし。

でも、あの子どもの頃は、何でそこまでと思うほど必死でしたからね、かじりついてましたねー

あの頃の興奮は今あるでしょうか・・・