映画監督の頭の中を覗いてみたい.....「月に囚われた男」
1.映画監督の頭の中を覗いてみたい
1)2001年宇宙の旅
「2001年宇宙の旅」(2001:A Space Odyssey)(1968)を初めて観たのは確か、中学生か高校生の時だったか。。。
勿論、映画館で。
難しかったですね。。。
「あの黒い板」は何? 何かの象徴??
という有様で。
パンフレットなどを読んで、それが「モノリス」と呼ばれるものだとはわかりましたが、でも当時、パンフを読んだだけでは映画そのものは理解できなかったです。
何を言いたい映画なのかわかりませんでした。
ラストで出てくる「胎児」に至っては??でした。
あの船長はどうなったのか? なんであんな老人になってしまったのか??
音楽「ツァラトゥストラはかく語りき」も印象に残りましたね。
そこからニーチェに興味を抱いたような気もします。
でも結局、この映画が何を伝えたいのか、理解はできないままでしたね。
当時「俺は2001年を観たぞ・・」と友だちに自慢するような無邪気な少年に過ぎませんでした。
しかし今ではネットで何でも調べられます。
2001年に関してもちゃんと解説がされています。
便利なものです。
でもあの初めて観たときの衝撃とその後のモヤモヤ感はいまだに覚えていますよ。
2)スカッとアクションが好き
スカッとしたアクション映画が好みですね。
何も考えずに気楽に観られる作品。
最近では女性がバカな男どもをボコボコにするような作品でしょうか。
それでも時々、考えさせてくれる映画も観るんですよ。
「人間とは何か?」「生きるとは何か?」「何のために生きるのか?」・・・
頭痛くなりますけど。
「生きる」(1952)「波止場」(1954)「ビルマの竪琴」(1956)「バニシングポイント」(1971)「セルピコ」(1973)などなど・・これらも中高生の頃に観ましたが、未だに強く印象にのこっています。
3)「月に囚われた男」
本作の監督はダンカン・ジョーンズ、デヴイッド・ボウイの息子さんですが、なので才能に溢れているんでしょうか。
彼、大学で哲学を学んでいるんですね。。。
本作は決して難解な映画ではないです。
でもこんな展開は予想できませんでした。
観てるうちに怖くなってきましたよ。
私とは何か?
自分ももしかしたらクローンではないのか?
自分の記憶というものは確かなのか?
この記憶は誰かに移植されたものではないのか?
本作はサム・ロックウエルのほぼ一人芝居なんです。
予算削減のため出演者を最低限に絞ったらしいのですが、本作が製作日数わずか33日間、500万ドルの予算で作られたとは驚きです。
しかし、どうやったらこんな発想が生まれるのか、監督の頭の中を覗いてみたいですね。
ホント驚きの作品でした。
2.「月に囚われた男」の作品概要
作品概要
作品名:「月に囚われた男」(Moon)
監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:サム・ロックウェル
監督のダンカン・ジョーンズはデヴィッド・ボウイの息子さんです。
そして彼の監督デビュー作なんです。
本作の配給は当初、ビデオスルーされることになっていましたが、サンダンス映画祭での好評を受けて、劇場公開に急遽変更されたという作品です。
3.あとがき
本作に出てくるコンピューターは「ガーティ」
なんと声はケビン・スペイシーなんですね。
2001年のHALとは違って友好的な奴なんです。
この映画で唯一ほっとする部分でした。
本作でもサム・ロックウエル演じるサムとその娘イヴとの関係が印象に残ります。
2人が長距離ライブ通信で向かい合うシーンには胸が締め付けられます。
「インターステラー」(2014)を思い出しましたよ・・・