「ミリオンダラー・ベイビー」ガードが下がらないよう筋持久力を鍛える
この作品、前半と後半とでは全然、趣が異なり、後半は非常に重いテーマが扱われています。
しかし前半、マギーがボクサーとしてのし上がっていく様は観ていてとても面白いです。
1.マギーのトレーニング
3時半起きでロードワークを始めとしたトレーニングに励むマギー。
マギー役のヒラリー・スワンクは元々身体能力が高く、水泳でジュニア・オリンピックの選考会に参加するほどだったそうですね。
しかも撮影に際しては3ヶ月間ボクシングのトレーニングを重ね、筋力トレーニングにも励んだそうです。
作中でも引き締まった筋肉質の体を見せてくれるし、ロープワーク(縄跳び)、スピードバッグ打ちなど、かなりの腕前を見せてくれる。
ただ気になったのはガードが低いこと。
両腕がやや下がっているので防御に弱いタイプかなと気になりました。
でも作中、自分の欠点に気づき、テープで自身の左腕を首にひきつけ、左ガードが下がらないようにしての練習シーンも見せてくれます。
こういうのを観ていて、ガードを終始上げていないといけないのはかなりきついだろうな、と思いましたよ。
肩から上腕、前腕をずっと上げた状態を維持するためには、肩から腕の筋持久力を鍛えないといけないだろうと思いました。
2.筋持久力
筋持久力を鍛えようということなら、例えば1kgくらいのダンベルを持ってシャドーボクシングするという方法もあるんじゃないかと思いますし、また腕立て伏せは当然こなさないといけないメニューだと思います。
肩から腕の筋持久力を鍛えられ、かつ腹筋・背筋など含め体幹も鍛えられるトレーニングとして「逆立ち腕立て伏せ」があります。
自立しての倒立は、いきなりは難しいので壁を使って行います。
3.逆立ち腕立て伏せ
1)逆立ち腕立て伏せ
両手は肩幅よりやや広めに床につく。
壁にかかとが当たるように下半身を持ち上げる。
この時、頭は真下を向くのではなく、目線を前方に向け、首がやや反ったフォームをとる。
そのまま限界まで肘を曲げながら、体を下していく。
慣れないうちはそんなに肘を曲げられない(体をおろせない)でしょうから、無理ない範囲で軽く下げるくらいでいいと思います。
一旦、静止してから体を引き上げる。腕は伸ばす。
これの繰り返しです。
体を下げる際に息を吸い、体を引き上げる際に息を吐く。
急いでやらない、というか体のバランスをとらないといけないので、ゆっくり上下させることが大事かと思いますよ。
2)恐怖心を取り除く
まず必要なのは恐怖心を取り除くこと。
逆立ちなんて普段やらないだろうし、壁に足を持たせかけるとはいえ、頭から転倒しそうな気がしてどうしてもこわいもの。
腕立て伏せがそれなりの回数できるのであれば、必ず逆立ちはできるので、勇気をもって足を振り上げること。
両腕に思いっきり負荷がかかるし、バランスを崩さないようにするため体幹も鍛えられますね。
最初は2回でも3回でも出来る回数だけ。
終わった後は両肩から腕がパンパンに張っていることを感じられると思います。
毎日のようにやっていると、フワッと軽く体が持ち上がる日とそうでもない日があり、日々、違った感覚を味わえるようになります。
フワッと、まるで無重力のように体が軽く持ち上がったら、それは気持ちいいです。
そして逆さまに見える景色もいいものです。
でも筋力がないとあっという間に終わってしまいますけどね・・・
一日一回逆立ちを・・・ぜひ。
壁を使っての逆立ち腕立てが出来たら、自立しての逆立ち腕立て、片腕だけでの逆立ち、そして片腕逆立ち腕立て、とまだまだ目指す先は遠いので、継続することがまず肝心ですね。
ところで、WBA女子ウェルター級チャンピオン「青い熊」ビリーとの試合について一つ思ったのは、平気で反則をしてくる(しかもハードパンチャー)相手に背を見せたのはまずかったなあ・・・ということ。
相手がダウンしてたり、ゴングが鳴ったりしても、そこで気を緩めずに、背を見せずに相手から目を離さず、自身のコーナーに下がるというのが、いずれの格闘技でも基本ではないかなぁ、と思いました。
いつ相手が背後から襲い掛かってくるかわからないですからね・・・残念。
4.ミリオンダラー・ベイビー 作品概要
作品概要
作品名:「ミリオンダラー・ベイビー」
2004年公開
監督:クリント・イーストウッド
フランキー・ダン:クリント・イーストウッド