映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

「ザ・ファブル殺さない殺し屋」岡田准一が見せるブラジリアン柔術に緊張感Max

前作よりもスケールアップしたザ・ファブル殺さない殺し屋」

特に、冒頭の駐車場でのカーアクションと後半の団地の工事現場の足場を使った集団との闘いはスピード感あり、アイデアも面白く相当レベルが高い。

それらを生身の体でこなす岡田君の身体能力の高さを改めて見せつけてくれましたね。

緊張感漂うブラジリアン柔術家との接近戦

後半の団地アクションですが、よくこんなことを考えましたね。

イデアが面白すぎます。

ここではほぼ集団との戦闘であり、相手との戦闘そのものより崩れていく足場を岡田君がバランスを崩すことなく駆け抜けていくのに目が釘付けになりましたよ。

身体能力の高い人だなと改めて感心しました。

しかし唯一、レベルの高い相手との格闘が観られるんですよ。

アパートの一室にのそっとやってくる人物。

茫洋とした無表情、目の焦点がどこにあるのかわからず不気味な男。

いきなり物凄いスピードでくんずほぐれつの格闘が展開されます。

殴る蹴るじゃあないんですね。

これはブラジリアン柔術です。

両者の動きが早くてしかも手足が絡まり合うわけですから一見しただけでは、何がどうなっているのかさっぱりわかりませんでした。

この敵役は橋本知之さんという日本のトップレベルのブラジリアン柔術なんだそうです。

しかしそういうレベルの格闘家と真正面から組める岡田君はこれまた凄い、としか言いようがありません。

カリ、ジークンドーなどの格闘技をベースに、さらにブラジリアン柔術も身に着けつつあるのでしょうね。

ブラジリアン柔術の技 ベリンボロ

私自身はブラジリアン柔術については何の知識も持ち合わせていませんので、映画の中で一体どういう技が展開されているのだろうと調べてみました。

で、たどりついたのが「ベリンボロ」(berimbolo)という技。

ベリンボロにはいくつかの展開=技があるようですが、簡単に言ってしまえば、両者ダブルガードの展開から足をフックし、回転し、足を絡めて相手のバックをとる技なんです。

「ダブルガード」というのは、お互いに(寝技に引き込もうとして)座った状態のことです。

ブラジリアン柔術は寝技が中心ですからベリンボロはよく見られる有名な技なのでしょう。

ここで、youtube動画をご覧ください。

これは「デラヒーバガード」という一種のガード技から「ベリンボロ」に展開する動きを丁寧に説明してくれています。

動画の1分あたりからがそうです。

相手が戻ってくる力を利用して横に倒す。

相手の膝下にスペースを作り仰向けになりながら相手に肩を近づける。

相手の足を制している自分の足をうまく利用。

襟を持った右手側、右肩から自らローリング

左手で相手の左足を制し、両足で相手右足をフック。

エックスフック、ツイスターフックから右足を送り出すようにすると相手の体が浮き上がりバックをとっています。

相手の体の下に潜り込んでいつの間にか相手のバックをとってしまとでも言いましょうか。

特に足の絡め方、フックの仕方に特徴がありますね。

まるで蛸が獲物に絡むかのような印象もあります。

でもこういうブラジリアン柔術は何気なくやっているようで実に合理的というか論理的というか、そういう印象も強く持ちました。

相手の力も利用しながら足を絡めたり、はずれないようなフックをかけたり、理にかなった動きをしているようです。

相当、練習量を積まないとなかなかスムースにこういう技は仕掛けられないでしょうね。

それと自ら肩からローリングしたりする動きを観ると、首から肩にかけては相当鍛えないと怪我をしそうですよね。

まとめ

岡田君ですが、実はこの「ベリンボロ」という技をテレビ番組で披露したことがあるようです。

2018年のことですから既にそのころからブラジリアン柔術については、かなりのレベルに達していた、ということでしょうね。

岡田准一君おそるべき・・・です。

ところで映画そのものについては、少し時間が長かったかな、という印象を持ちました。

私がアクション場面に特に関心が高いというせいもあるでしょうが、途中はやや冗長だったかなという印象は残りましたね。

「ファブル」はシリーズ化されるでしょうから、これからもアイデア満載のアクション、そしてブラジリアン柔術のような接近戦、リアルな格闘技を見せてほしいものです。

ザ・ファブル殺さない殺し屋 作品概要

作品概要

作品名:「ザ・ファブル殺さない殺し屋」

監督:江口カン

出演:岡田准一

   橋本知之