「モータルコンバット」ハンゾウ演じる真田広之の身体を反転させる動きがあまりに素晴らしい
格闘技で相手をとった際に大事なのは間合いですが、「体軸」という感覚もとても重要なんです。
特に相手に背を見せる技、例えば、後ろ回し蹴りでは、相手の位置・動きに対し自分の身体がどういう状態にあるのか、腕や足がどの位置にあるのか、イメージ通りに動けることを感覚として把握する「体軸」というものが重要なんです。
背後にいる敵に身体を素早く反転させて立ち向かう真田広之の動き
「モータルコンバット」の冒頭の映像ですが、真田広之演じるハンゾウに向かって2名の敵が接近してくるシーンからご覧ください。(動画 5分14秒からです)
ハンゾウはまず右手の敵を左下から右上方へ腕を振って斬る、返す刀で右から左へ再度、斬る。
ここでハンゾウの身体はやや左向き。
その位置から右後ろへ半回転し、もう一人の敵に相対します。
この回転がとてつもなく速いですね。
身体が回転し終わってから刀を相手の体にあててすべらせる(斬る)という風にも見えます。
身体、特に下半身が先に回転し、その後で腕と刀が動いてきます。
格闘技でもスポーツでも、まず下半身が先に動く、というのは基本中の基本ですが、それが見事に体現されており、かつ、身体の回転軸が全くぶれない、という点がさすがですね。
関連動画 映画「モータルコンバット」本編映像(冒頭ノーカット7分)
身体の回転軸というのは「体軸」のことです。
野球などの回旋運動の多いスポーツではよく「軸が大事」と言われますが、その軸のことです。
ただ「体軸」といっても実際、軸が自分の体の中にあるわけでもありませんし、目に見えるわけでもありません。
だから感覚の問題なんですね。
自分の体の中心がどこにあるのか、という感覚のことです。
この「体軸」という感覚を鍛えていないとスポーツにしろ格闘技にしろ、自分が頭の中で思い描いたイメージ通りに身体を動かせない、ということになります。
ハンゾウ演じる真田広之が素早く身体を半回転させて後方の敵を斬るシーンを観ると、後方から襲ってくるため目には見えていない敵に対して、自分の身体をどう動かせばいいか、という感覚にとても優れているように思われます。
そして腰が据わっていて、下半身が安定し、回転しても軸が全くぶれない、敵を一人斬ったらすぐ次の動きに移る、これらの動きはスムースで流れるようですね。
真田広之さんは、空手やアクションだけではなく、日本舞踊の名取でもありますから体軸やバランスというものが相当鍛えられたのでしょう。
体幹を鍛えて体軸という感覚を持つ
それでは「体軸」を鍛えるにはどうすればよいでしょうか。
それには「体幹」を鍛えなければなりません。
安定した「体幹」を得ることにより、自分の体の中心線がどこにあるかという「体軸」という感覚を鍛えることができます。
「体幹」を鍛える方法として代表的なのはプランクですが、このプランクの応用バージョンをご紹介します。
1.まず四つん這いの姿勢になります。
2.両膝を浮かせます。
3.対角線の腕と足を床と平行に伸ばします。
右腕と左足、そして左腕と右足、を伸ばす、という要領です。
このまま2~3秒キープします。
この時、目線はやや斜め前に向ける方がやりやすいでしょう。
背中はまっすぐになるよう姿勢を維持しましょう。
簡単な動きですが2~3秒とはいえバランスを保つのは相当、難しいはずです。
また右腕・左足をあげるのと左腕・右足をあげるのでは難易度も異なるかもしれません。
弱いサイドがあるようでしたら、そちらサイドをより鍛えたほうがいいですね。
いきなり腕と足をあげるのが難しいようであれば、慣れるまでは、上記の1~2の動作だけでも構いません。
あせらず無理せず体幹とバランス感覚を鍛えていきましょう。
まとめ
真田広之さんですがこれまで数多く忍者を演じてきています。
「忍者武芸帖 百地三太夫」(1980)では桃山城天守からジャンプしてみせ我々を驚かせてくれました。
他にも「魔界転生」(1981)「伊賀忍法帖」(1982)「伊賀野カバ丸」(1983)そして海外初進出となった「龍の忍者」(1982)など。
でも1962年生まれの真田さんが還暦を迎えてもこれだけの動きができることには驚きます。
長年の地道な鍛錬の成果ですね。