映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

「蜩ノ記」自然体で薪割りができる岡田准一の殺陣のすばらしさ

散り椿岡田准一君の殺陣がとても良かったので、これは是非蜩ノ記を観なければ、と思った次第です。

撮影に備え前年冬から居合の道場に弟子入りし、岡田君が時代劇で本格的な殺陣に初めて挑戦した作品、ということで期待したのですが・・・。

しかし肝心の殺陣のシーンはほとんどありませんでしたね。。。

1.岡田准一の殺陣

冒頭、雨中、檀野庄三郎(岡田准一)が日本刀相手に素手そして短刀のみで闘うシーンの鮮やかさ。

素振りの練習をしているシーン、左肩上から振り下ろす逆袈裟斬りですね。

その太刀の速さ。

戸田秋谷(役所広司)の息子と家老宅へ乗り込んだ際、向かってきた相手を刀で制する一瞬の動きの素早さ。

殺陣のシーンと言えるのはこの三つだけでしたが、しかし動きが俊敏で、後に殺陣の才能を開花させる岡田君がその片鱗を見せてくれたという感じでした。

殺陣のシーンは少なかったとはいえ、でも印象的なシーンがありましたよ。

2.薪割り

それは、薪割りなんです。

戸田秋谷の家に住み込むようになった檀野庄三郎、しばらくは自分は侍だからと否定していた畑を鍬で耕す作業もいつしか行うようになります。

そして薪割りもやってのけるんですよね。

薪割りって難しいのでしょうね。

私はやったことはありませんが、薪をきれいに割れるようになるには相当の練習と時間が必要そうに思えます。

なにしろ斧は重いし、間違って自分の足に当ててしまったらと思うととても怖いです。

1)薪割りと体幹レーニン

そして薪割りというのは今で言えば体幹レーニングなんだと思いました。

腰を据え、重い斧を振り上げ、身体のバランスをとり、狙った場所へピンポイントで一気に振り下ろす。

わざわざ体幹レーニングをしなくても、この薪割り自体が体幹を鍛えてくれていたのでしょうね。

薪割りは昔から生活をするために必要であった労働の一つですが、他にも、井戸の水汲みや道場の拭き掃除、舟の櫓漕ぎなど、体幹が鍛えられそうな動きというのは生活の中に様々ありそうです

昔は普通に生活をする中で知らず知らず体幹を鍛えていたわけですね。

2)正座と体幹

本作のような時代劇では正座のシーンが良く出てきます。

当時、正座から立ち上がって歩き、用事をして、また座ってと、立ったりしゃがんだり座ったり、の頻度が高かったように思います。

そういう中で足腰、体幹が自然に鍛えられたのでしょうね。

本作の薪割りのシーンでは岡田准一君が自然な感じで薪をきれいに割っていました。

力みがなく、とても自然体です。

このシーンからも、岡田君という人が武術に長け、殺陣も修練し、かなり体幹が鍛えられている人なんだろうと窺い知ることができます。

3.薪割りスクワット

ところで薪割りと言えば、薪割りスクワットと呼ばれるものがあります。

スクワットなんですが、膝を曲げたときに(この時、膝は爪先から先に出ないように注意する)静止し、薪割りのごとく両腕を頭の真上まで振り上げ、振り下ろす、という動きを数回入れます。

そして立ち上がる。

この薪割りスクワットは通常のスクワットより3~4倍きつく感じます。

私も通常のスクワットをやりますが(20回)ラストに、薪割り動作を10回入れています。

両腕をわざわざ振らなくても膝を曲げた際に数秒、静止するだけでもいいようにも思いますが、そうではなくて、やはりこれは両腕を大きく振り回す、でも身体のバランスを崩さないようにする、ということでより体幹を鍛えるトレーニングになっているように思いますね。

通常のスクワットが10回できるようであれば、より負荷のかかるスクワットも取り入れていければいいと思いますよ。

それにしても本作においては岡田君の殺陣をあまり観られなかったのが残念でした・・・。

散り椿」ですら、もっと彼の殺陣を観たいと思ったほどですから・・・それほど素晴らしい、ということなんですけどね。

是非、殺陣シーン満載の、岡田君の時代劇を観てみたいですね。

4.蜩ノ記 作品概要

作品概要

作品名:「蜩ノ記

2014年公開
監督:小泉堯史

戸田秋谷:役所広司
檀野庄三郎:岡田准一