映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

「聖女 Mad Sister」 ボクシング代表が見せる柔道技を観て瞬発力をいかに鍛えるかを考えてみた

この映画、主役、イネ役のイ・シヨンが2013年4月、ボクシングの韓国代表最終選抜戦48kg級決勝で勝利し、韓国代表入りを果たしたことのある女優ということを知り、作中でどんなアクションを披露してくれるのかに興味があり、観てみました。

本作では、しかし、意外なほどボクサーらしいパンチを出しません。

ラスト近くになってやっとボクシング代表らしく、パンチを振るってくれます。

それまではと言うと、柔道の投げ技、絞め技、関節技、それから蹴り(テコンドーか?)ばかりを披露してくれるので、知らなかったら彼女をボクシング経験者とは決して思わないでしょうね。

1.元ボクシング韓国代表イ・シヨンの格闘シーン

1)柔道技、関節技、そして絞め技

相手に首を掴まれた際に、上から相手の両腕をバンっと下に払って、相手の下に素早くもぐって瞬間、立ち上がって(持ち上げて)払い投げるシーン。

自らデスクの上を回転しながら相手の腕の逆をとるシーン。

相手の逆をとった腕を、肩で折るシーン。

三角絞めで相手を落とす(気絶させる)シーン。

蹴りで相手の膝の裏を折り、手首の逆をとるシーン。

結構、逆をとるような技が多く見られるが、いずれも動きはなめらかで、身体能力の高さをうかがわせます。

2)ボクシングのパンチ

それに比べ、パンチの方は意外に、大ぶりのフック気味のパンチが多く、韓国代表だったらもう少し、実践的なショートレンジからの鋭いパンチを見せてほしいな、とは思いました。

画面では大きな動きの方が映えるので、あえて大ぶりのパンチにしてみせたのかもしれませんね・・・

3)柔道家のような投げ技

注目したのは、相手の下にもぐってから一瞬で相手を持ち上げながら立ち上がり、投げ飛ばすシーン。

相手の体を持ち上げて投げるのではなく、自ら沈み込んでから瞬間的に一気に立ち上がって、その勢いで相手を持ち上げるような技。

ただこういう柔道家のような動きをするには相当の瞬発力及び下半身の筋力が必要だろうなと思いましたよ。

相手の攻撃の威力に耐えることが求められる相撲やプロレスとは違って、柔道においては力ずくで組む、というよりは、上手に相手の攻撃を受け流すとか、相手の攻撃をかわす、という動きが重要なんだと思います。

そしてそこには俊敏さが求められるでしょうね。

俊敏な動きをしようとすると瞬発力を鍛えなければならないのだろうと思います。

2.瞬発力に関係する筋肉

1)足首やふくらはぎの筋肉

瞬発力に関係しているのが足首やふくらはぎの筋肉です。

一つはアキレス腱を構成する下腿三頭筋(かたいさんとうきん)つまり、腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋。

足の指や足首を曲げる力を備えている後脛骨筋(こうけいこつきん)、長母指屈筋(ちょうぼしくっきん)それと長趾屈筋(ちょうしくっきん)。

足指・足首を反らせる筋肉である長趾伸筋(ちょうししんきん)、前脛骨筋(ぜんけいこつきん)、長母指伸筋(ちょうぼししんきん)。

これらが衰えると爪先が上がりづらくなって、よくつまずくようになってしまうわけです。

2)足を外反させるための筋肉

それと足を外反させるために必要な長腓骨筋(ちょうひこつきん)と短腓骨筋(たんひこつきん)。

これらは歩く、走る、それから不安定な場所を移動する際に関係している筋肉で、例えばサーフィンをする時などに活躍する筋肉。

柔道などでも踏ん張る際にはこの筋肉が働いているのではないかと思います。

3.瞬発力を鍛えるための筋トレ

1)バービージャンプ

では瞬発力を鍛える筋トレというとどんなものがあるでしょう?

これはもう瞬発力そのものという感じの「バービージャンプ」でしょうね。

足を肩幅もしくは拳一つ分くらいに開いて立つ。

両腕は体の横にだらっと垂らしておく。
膝を曲げ、体を沈め、両手を足の前の方に置くと同時に足を後方に伸ばして、腕立て伏せの姿勢になる。

足を元の位置に素早く戻して、膝を曲げた状態から一気に真上にジャンプする。

ジャンプすると同時に両腕を上に上げ、頭上で手を叩き、元の直立の姿勢に戻る。

この一連の流れを出来るだけ素早く繰り返します。

これは本当にきついです。

私はたまに遊び感覚でバービージャンプもやってみてますが、15回もやると息も切れ、結構ヘロヘロになります。

なので最初は無理せず5回~10回くらいやってみる、ということで構わないと思います。

ここで注意すべきなのは、スピードよりも正しいフォームで行うことを意識すること。

空中で体をまっすぐに伸ばすこと。

瞬発力だけではなく、大殿筋やハムストリングなどの下半身の筋力は鍛えられるし、ジャンプして空中で姿勢を維持しないといけないのでバランス、体幹、それから特に心肺機能もかなり鍛えられるトレーニングですね。

2)「バービー」ではなく「バーピー」?

ところでこれまで「バービージャンプ」と覚えていたのですが、正しくは「バーピージャンプ」のようです。

英語で「burpee」と書きますが、アメリカの生理学者「ロイヤル・H・バーピー」に由来しているようですよ。

5ステップを基本とするエクササイズ。

  1. スクワット状態 2. 足を伸ばす 3. 腕立て伏せ 4. スクワット状態に戻る 5. ジャンプして立ち上がる。ですね。

4.聖女 Mad Sister 作品概要

作品概要

作品名「聖女 Mad Sister」

2019 年公開
監督:イム・ギョンテク
イネ:イ・シヨン