映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

「フライ,ダディ,フライ」ロープ登りを教える岡田准一君の格闘センスに感心

本作フライ,ダディ,フライ金城一紀氏の小説の映画化作品なんだそうですが、私は残念ながら知りませんでした。

ただ、平凡なサラリーマンが、彼の娘が怪我させられたことをきっかけにトレーニングに励み、ついに加害者と対決する、というそのストーリーに惹かれて観てみようかと思った次第。

しかも主演が岡田准一君と堤真一さんだし、リアルなアクションを見せてくれるかもしれないという期待もありましたよ。

どこにでもいる気の弱い平凡なサラリーマンの「おっさん」こと鈴木一を演じるのは堤真一さん。

でも彼、そもそもJAC(ジャパン・アクション・クラブ)にいた人だし、アクションは出来る人だろうけど、この弱々しいお父さんを見事に演じてくれましたね。

このサラリーマン鈴木を鍛えるのが岡田准一君演じる「俺」こと朴舜臣(パク・スンシン)。

本作の当時、まだ25歳。

体も筋肉質ではあるけれど、まだまだほっそりしているな、という印象。

1.おっさんを鍛える

1)ランニング

朴舜臣がおっさん鈴木にやらせるのは、まずランニング。

これは基本でしょうね。

電車の駅に奥さんと娘さんが自家用車で迎えに来てくれるという幸せな家庭のパパ。

でも普段、運動などほとんどしたことはなさそう。

かなり、体なまってますよォ~

序盤、ランニングでは半死半生になりながら規定の距離を何とか走り切っていた鈴木。

でも終盤では皮靴をランニングシューズに履き替えて、スーツ姿で駅からランニング。

しかも通勤バスと競争しながら、相当なスピードで・・走るまでになります。

しかも、太ももが高く上がっていいフォームです!

2)石段登り

リュックに砂を詰めて、爪先立ちで石段を登るトレーニング。

これとランニングとで足腰が徹底的に鍛えられることになりますよね。

3)ロープ登りか!!

でも私が目を瞠ったのはロープ登り。

朴舜臣が鈴木にお手本を見せるシーン。

このシーン、岡田君は、木の枝に吊るしたロープを軽々と登るんです。

二人の身長から推測すると高さは5メートルくらいでしょうか。

まだ力こぶもさほど大きくない岡田君があっという間に5メートルを登ったシーンには感心しました。

まだ若いし体重も軽いのでしょうけど、全体的なバランスの良さとこの身体能力は大したものだと思いましたね。

4)格闘トレーニン

岡田君らしさは随所に現れていて、例えば、鈴木との実践トレーニングであっさりと腕ひしぎ十字固めを決めてしまいます。

これプロレスごっこのレベルでは全然ないですね。

岡田君は2010年、30歳のころ、カリ(エスクリマ)とジークンドー、そしてのちに、USA修斗(しゅうと)のインストラクター資格も取得したそうなのですが、既にこのころから格闘技の練習に励んでいたのだろうと思わせてくれます。

それほど技にキレがあったので驚きました。

きっと格闘センスがいいのでしょうね。

さて、鈴木の娘に怪我をさせた相手は高校のボクシングチャンピオンですが・・。

2.ダッシュ力と上腕二頭筋

朴舜臣が鈴木に授けようとしたのは、ダッシュ力(足腰の強さ)と上腕二頭筋の筋力ですね。

上腕二頭筋は力こぶを作るだけじゃなく、肘を曲げる、ダンベルを持つ、バーベルを巻き上げる動作に貢献する筋肉なんです。

そう・・・グッと何かを巻き込む力がつくんです。

ダッシュ力があって上腕二頭筋が太く強くなっていればボクサーに勝てるチャンスがあると考えたのでしょう。

上腕二頭筋を鍛えるにはロープ登りが効果的なんです!

本作のトレーニングシーンには、定番の腕立て伏せは出てきません。
実はそういうところにもちょっと感心してたんです・・・

ラストの鈴木と高校ボクシングチャンピオンとの一戦は果たして・・・

「そうかあ、ボクサーと戦うにはその作戦だよね~!!」と魅せてくれましたよ。

感~心しました・・・ホントに!

センスいいと思いました!

3.フライ、ダディ、フライ 作品概要

作品概要

作品名:「フライ, ダディ, フライ」

2005年公開
監督:成島出

朴舜臣(パク・スンシン): 岡田准一
鈴木一:堤真一