映画は心の筋トレ

子どものころ観たゴジラ映画に始まって今も観続けている映画の備忘録

「エージェント・マロリー」リアルな総合格闘家の見せるアクションには瞬発力と持久力が必要

主役のマロリー・ケイン演じるのはジーナ・カラーノ

彼女、リアルにアメリカのWEF(ワールド・エクストリーム・ファイティング)などの試合に出ていた総合格闘家なんです。

高校ではバスケットボール、バレーボール、ソフトボールなどをやっていて、大学在学中にダイエット目的でムエタイを始め、そして2006年、24歳の時に総合格闘技へ転向しました。

173cm、64kg、彼女を見た瞬間、腰回りと太ももの太さに圧倒されます。

1.ジーナ・カラーノのアクション

冒頭の格闘シーン。

相手に足払い、背後から右腕をとって遠い方の右足で相手の膝を折り、左足で相手の肩からまたいでそのまま後方へくるっと回転しながら腕ひしぎ逆十字をかける。

この一連の流れるような動きがさすが。

こういう風に腕ひしぎに持って行く流れは、1990年代に「リングス」なんかでよく観たものです。

ちなみに私は、ヴォルク・ハンのファンでした。

走るシーンも多いのですが、彼女、走る際に、頭や体が一切ぶれないですね。
心肺機能もかなり高いのだと思います。

上から左腕で相手の首を巻いて締め上げる。

相手にのしかかられて攻撃されながら、下から隙をついて一瞬で三角締め

前蹴りも膝が高く上がっていて見事なフォームです。

2.総合格闘技に必要な筋肉

総合格闘技に必要な筋力というと全身すべてということになるでしょうね。

その中でもお尻周りの大殿筋、中殿筋、小殿筋、背筋、そして当然ながら体幹が特に重要なんだと思います。

大殿筋は、歩く、走る、ランニング、ダッシュ、ジャンプに関係している筋肉で、中殿筋や小殿筋は、足を横に踏み出す、サイドステップに関係している筋肉。

それとパンチ・キックを出すための瞬発力に加え、1ラウンド3分を何ラウンドも動き続けるための持久力も必要ですよね。

瞬発力と持久力という相反するような二つの能力を高めるためには、筋トレに有酸素運動を組み合わせたサーキットトレーニングが効果あるように思います。

3.サーキットトレーニン

サーキットトレーニングというのはインターバルを設けず、立て続けに次のメニューに入るトレーニングのことです。

心拍数があるレベルに保たれたまま次のトレーニングを行うことで、負担が継続され、結果として心肺機能が強化されることになります。

普段やっている筋トレの各メニューの間に休憩を挟まず、代わりに有酸素運動を挟み込むことにするという方法がありますが、この時よく行うのがマウンテンクライマーというものです。

ジャンプとかでもいいのですが、マンションなどの部屋の中でジャンプするのはやはり気が引ける、ということでマウンテンクライマー。

肩の真下に両腕をつく。
両足を伸ばす。
視線は斜め前方におく。
片方の足(例えば左足)を胸ギリギリまで素早く近づける。
その左足を後方に向かって元の位置に素早く戻しながら、同時にもう片方の右足を胸に近づける。

この動作を左右の足、交互に行いながら1分間繰り返す。

まるで山を(というか崖を)登っているかのような動きなのでマウンテンクライマーと呼びます。

注意すべきことは、背中を丸めないこと。
頭からお尻が一直線になるよう意識する。
リズムよく左・右・左と素早く足を入れ替える。
フォームが崩れないようにする。

慣れないうちは1分はきつすぎるかと思いますので、20~30秒程度でもいいんじゃないでしょうか。

筋トレ各メニューの間の休憩の代わりに立て続けに行うものなので、無理せず軽めに行うのがよいと思いますよ。

慣れてくれば時間を1分に設定する、スピードを上げる、などの方法もとれますね。

でも、とてもきついので毎日は無理かもしれません。

週に1回程度でもメニューに取り入れてみればいいのではないかと思います。

しかしジーナ・カラーノの地味だけどリアルな格闘技は注目に値します

是非、彼女のアクションを前面に出した映画を観てみたいものです。

それと2回目を観た際に気づいたのですが、セリフのシーンがかなり少ないなという気がしました。

映像と音楽だけのシーンが長いですね。

それはそれでまた緊張感を醸し出しているように感じましたよ。

原題は「Haywire」=干し草を縛る金具から転じて「めちゃくちゃな」

壊れかかった家などを、haywire(干し草を縛る金具)で補修したことから、きているそうです。

4.エージェント・マロリー 作品概要

作品概要

作品名:「エージェント・マロリー」(Haywire)

2012年公開

監督:スティーブン・ソダーバーグ

マロリー・ケイン:ジーナ・カラーノ