「暁に祈れ」立ち技最強ムエタイの首相撲を観て首周りの筋トレの重要性を考える
本作については監督も俳優も知らないです。
ただイギリス人ボクサーがムエタイで再起を期す物語、というところに興味を持ち、観てみました。
舞台はタイの刑務所。
いや、とにかく入れ墨だらけの囚人たちが本当に怖いです。
怖い怖い・・・
ホント・・「祈りたく」なりますよ。。。
ヘロインに溺れる主人公ビリー・ムーアは偶然、目にした刑務所内のムエタイチームの練習を見て、それに参加します。
でもこのビリー、確かに環境はあまりに劣悪、なのでつい薬物に依存したくなるのかもしれないけど、途中、何度も挫折する男なので、あまり同情というか共感は出来なかったですね。
1.ムエタイの強さ
それより目を引いたのがムエタイの強さ。
肘うち、膝蹴り、首相撲からの投げもあり、全身をフルに使う格闘技ですよね。
体幹も相当強くないといけないのでしょう。
立ち技最強と言われる所以です。
2.首相撲
特に気になったのが首相撲。
日本のキックボクシングでは、相手と組み合ってたらすぐレフェリーにブレイクさせられるので、首相撲のシーンはあまり見られません。
が、ムエタイでは首相撲の試合に占める割合も大きいし、練習でも首相撲にはかなり力を入れているように思われます。
首相撲とは相手の胸~鎖骨あたりに自分の肘を当て、相手の頭頂~後頭部を両手で手前に引き寄せ、あるいは相手を振り回したり、足を払ったりします。
また相手の体勢を崩して、そこに膝蹴りを見舞う、もしくはそのまま投げ飛ばす、というものですね。
なので実際には首そのものを抱え込んでいるわけではありません。
当然、相手もただ自分の首(実際には後頭部あたり)を抱え込まれる(取られる)わけにいかないので、同じように首を狙ってきます。
その前段階の動きとして、相手のより内側に腕を潜り込ませられるか(ポジションの取り合い)を争い、またその攻防のさなかにも隙を見て、肘打ち、膝蹴り、足払い、投げ、などの激しい、かつ細かい攻防が見られるんですね。
その内容は細かく、スピードがあり、また巧緻が分かれるポイントとなるところなので、首相撲の練習の比重が高いのも納得がいきます。
本作においては腕立て伏せや腹筋などの筋トレシーンはあっても、首自体の筋トレシーンは特に描かれてはいませんでした。
勿論、首相撲の練習をすることだけで相当、首周りは鍛えられていることだろうと思います。
もちろん体幹も・・・。
それにしてもテクニックを磨くことは当然だが、観ていてやはり首の筋力を鍛えること自体は必須だろうな、とも思いました。
3.首周りの筋肉
首の、主に前部を胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)、横から後部を僧帽筋(そうぼうきん)という筋肉が覆っていて、胸鎖乳突筋は「首を左右にひねる、肩をすくめる、頭部を安定させる」などの働きをします。
また斜角筋群という筋肉も近くにあり、「首を横に曲げたり顔を回転させたり」という働きもしますが、この筋肉は要は、首を支える筋肉です。
僧帽筋は上肢全体の重さを支える働きをし、腕を持ち上げる動作の補助、柔道などで相手を引き寄せる動作に役立っているんですね。
筋トレでこれらの筋肉を鍛えると、当然ながら、太い逞しい首になります。
首を鍛えることで、頭に衝撃が加わった時にその衝撃を吸収し脳へのダメージを抑えることができるため、格闘技やラグビーなどの特に接触の多いスポーツにおいては、首の筋トレによって脳を守るという必要がありますね。
首を鍛えることによって、もし怪我をしたとしても比較的、軽症ですむという可能性もありますからね。
それから斜角筋群(前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋)には呼吸の補助という役割もあります。
激しい運動の時はより多くの呼吸が必要となりますから、これらの筋肉が働くということになるので重要なわけですね。
4.首の筋トレ
首の筋トレとなると、いつでもどこでも出来るのがアイソメトリックスです。
それ以外には、代表的なものにブリッジがありますね。
ブリッジの体勢をとる際、この時は手を使って構いません。
そして手を離し、頭と足だけで支えている状態となります。
最初は頭頂部で支えるしかないでしょうね。
これが鍛えられてくると徐々に、ぐっと顎を反らせて額の部分で支えられるようになってきます。
負荷をかけようとすれば、首をゆっくり反らせていく、首を前後左右に動かす、という方法もありますよ。
私は、ブリッジは苦手です。
最近、何度かやろうとしてみたんですが、うまく出来ません。
若いころは難なく出来たんですけどね~
5.「暁に祈れ」 作品概要
作品概要
作品名:「暁に祈れ」(A Prayer Before Dawn)
米英中仏合作
2018年公開
監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール
ビリー・ムーア:ジョー・コール