「無双の鉄拳」雄牛の異名を持つ男の繰り出すパンチを観て、鳩尾をいかに鍛えるかを考えてみた
韓国映画「無双の鉄拳」
なんせ無双なので、この世に彼と並ぶ者のないほどの鉄拳ということなんでしょう。
不器用で朴訥としていて、お人よし、組合からは完全になめられている感じの男、しかし昔「雄牛」の異名をもつ男、ドンチョルが妻をさらわれたのに怒り狂いその拳一つで敵地へ乗り込み、ボッコボコにする話。
1.マ・ドンソクのアクション
ドンチョル演じるマ・ドンソクは、首、肩、胸、上腕の太さが半端ない。
ほとんどその丸太のような腕から繰り出されるパンチで相手を倒すのだが、それ以外にも、腹に組み付いてきた相手にパワーボムをお見舞いしたり、頸動脈を圧迫して失神させたり、という怪力アクションも見せてくれます。
ちなみにパワーボムというのはプロレス技の一種で、前屈みになった相手の胴体に背中側から両腕を回し、抱えるようにして、自分の背中を大きく反らせた反動で相手の体を肩の高さまで持ち上げ、そのまま相手の後頭部を床に叩きつける技です。
2.みぞおちは鍛えられるのか?
あのパンチを食らったら終わりだろうな、とは思いつつ、人のみぞおちというのは鍛えられるのだろうか?とふと考えてしまいました。
「みぞおち」は、人の腹の上方中央にある窪んだ部位のことで、鳩尾(きゅうび、みぞおち)、水月(すいげつ)とも呼ばれます。
ボクシングなどでも顔面を殴られた場合は、意識が飛ぶので苦しさというものはないんです。
しかしみぞおちにパンチが入ると、一瞬、呼吸ができなくなり、リングでのたうちまわるほど苦しむことになるわけなんですね。
みぞおちは人の急所の一つであり、ボクシングや空手などの格闘技では、みぞおちを狙う攻撃が重要な技術となっています。
大胸筋や腹筋の部分は筋肉で覆われているとパンチを受けてもダメージがないのだが、ではそもそも、みぞおちを鍛えることはできないのだろうか?
3.みぞおちを鍛える筋トレ
おそらくみぞおち自体には筋肉はないので、みぞおちそのものを鍛えることは不可能なのであろうとは思います。
ただ、大胸筋下部と腹筋の上部を鍛えて、その部分の筋肉でみぞおちを覆うようにしてカバーする、という方法はあるのではないでしょうか。
1)大胸筋下部の筋トレ
大胸筋を鍛えるなら基本は腕立て伏せ、しかし下部を特に鍛えようとするとやはりディップスです。
ディップスは、フォームによって、大胸筋と上腕三頭筋のどちらをメインターゲットにするか、変えることができますよ。
大胸筋下部の筋肉は腹筋の上部にあり、腕を斜め下にさげる際に使われる筋肉。
なので体を前傾させてディップスを行うと大胸筋下部に、体をまっすぐ起こして行うと上腕三頭筋に効く、ということになりますね。
ディップススタンドの平行バーを最初は肩幅より少し広いくらい、慣れてくればより広めに設定する。
足を揃えてできるだけ体を前傾させる姿勢をとる。
肘は伸ばしきらない。
そのまま上下運動を繰り返す。
体をゆっくりおろしますが、出来るだけ体を下におろして大胸筋を伸ばし切るイメージで行います。
体を引き上げる際は、素早く押し上げるのですが、この時、腕力で無理やり上げようとせず大胸筋を意識して行うようにします。
どうしても前傾しにくい場合は足をクロスして固定し、膝を曲げると体の重心を前の方に移動しやすくなりますよ。
ディップスは体の自由度が高い分、フォームが崩れやすいという側面もあるんです。
体が揺れてしまうのを抑えるためにも常に同じ姿勢・フォームを保つことを意識するほうがいいですね。
この場合、体を素早く上げることよりも、ゆっくりで構わないので正しいフォームをより意識したほうがよいです。
また半面、ディップスは体が固定されないためにバランスを取る必要があるということから、体幹を含めた様々な筋肉も同時に鍛えることができるとも言えますね。
2)腹直筋の筋トレ
いはゆる腹筋と呼ばれる場所にある筋肉が腹直筋(ふくちょくきん)。
お腹の前面を縦に走っています。
下部は骨盤の骨に、上部は肋骨にくっついています。
普通、筋肉は端から端まで一本の筋繊維でつながっているのですが、腹直筋は途中で筋繊維が途切れて腱が入っているのが特徴。
腹直筋は左右に分かれて、それぞれの筋繊維が中間腱で区分けされているため、「シックスパック」と言われるように腹筋が6つに割れているように見えるんですね。
特に腹直筋上部を鍛えようとするとクランチが有効。
仰向けに寝転んで頭は少し浮かし、膝を90度に曲げ足裏は床に着ける。
両手は耳の横に当てていてもいいのだが、私なんかは鍛えている筋肉を意識したいので手は腹筋上部に添えていることが多いです。
ここから腹筋上部を覗き込むようなイメージで上体を起こしていく。
この時、上体は丸める。
また上体を起こす際に息を吐き切る。
私は、10を数えながらゆっくり息を吐き切っていくような感じで行っています。
限界まで息を吐き切って、また元の位置に戻すのですが、体を上げる時よりも更にゆっくり、息を吸いながら戻すといいですね。
この時、頭は床に着けないようにします。
注意すべきなのは、体の反動を使わないこと。
出来るだけゆっくり動作すること。
呼吸をすること。
そして特に、鍛えている筋肉の部位を意識すること、ですね。
4.無双の鉄拳 作品概要
作品概要
作品名:無双の鉄拳
2019年公開
監督:キム・ミンホ
ドンチョル:マ・ドンソク