昔の給食はまずい思い出........「おいしい給食Final Battle」
「おいしい給食」は、2019年に放送されたテレビドラマを映画化した作品です。
1980年代の中学校を舞台に「給食絶対主義者」の男性教師と「給食マニア」の男子生徒の給食にまつわる闘いを描いた学園グルメコメディ。
主演は市原隼人さん。
1.昔の給食はまずい思い出
1)昔の給食
私の小学校時代の給食ですが、定番メニューは、
コッペパン、揚げパン、ぶどうパン、食パン
ジャム、マーガリン
鯨肉の竜田揚げ
カレーシチュー
といったところでしょうか。
これに初期の頃はまだ「脱脂粉乳」が付いていました。
これが美味しくないんですよ。
薄い膜がいつも浮いていて。
あの薄い膜を飲んで(食べて?)しまわないと牛乳に行きつかないので、、我慢して一気に飲み込む。
嫌でしたね~あの瞬間は。
それがいつの頃からか四角いパックの牛乳に変わりました。
鯨肉なんて当時は当たり前のように食していましたが、今では珍しいメニューになってしまって・・・
一番人気はカレーシチューでした。
カレーライスはまだありません。
そもそもご飯が登場してくるのはもっと後の時代ですから。
カレーのルーをシチューみたいにしたものですが、これは美味しかったですね。
カレーシチューが献立表にある日は気分も浮き浮き・・・でした。
2)まずい思い出
学校給食というと今でも思い出すシーンがあるんです。
私は小学4年生の時に転校したのですが、転校して間もなくの頃でしたでしょうか。
周りにいるクラスメート数名が私を見てにやにや・・・
自分に配膳された給食のおかずを見ると、かなりの大きさの豚肉・・・の脂身。
ほぼ全身、脂身ですっていう感じ。
今だと全然OKですよ。
豚肉の脂身は栄養もあって健康的でもあります。
でも当時はまだ小学4年生。
嫌でしたね。
やられたと思いました。
「転校性が受ける洗礼か・・・」と。
先生も見て見ぬふり・・・だったかな。
さてどうしたでしょう?
当時の私に給食を残すという選択肢はありません。
食べましたとも・・・味は・・・覚えていません。
でも脂身ですからね。
泣く泣く(内心)食べました。完食しました。
完食したのを見て先生が「〇〇君、よく食べたね~すごい!」
「おいおい、先生も半分食べてあげようか、とか助けてくれなかったくせに・・・」と内心、恨みましたね。
私は先生に声かけられてもずっと黙っていたと思います。
「ふんっ」と。。。
そして以降、そういう意地悪はなくなったはずです。
何十年たっても給食と言えば、あのシーン。
強烈に覚えているんです。
3)名も知らぬメニューが次々と.....
本作には私の知らない給食メニューが次々と登場してきます。
鯨のオーロラソース 「美味しそう・・」
ソフト麺 「うちの学校にはなかった・・・」
ミルメーク 「想像もつきません・・・」
牛乳かん(寒天) 「何だそれ?」
甘利田先生を演じる市原隼人さんは、かなりのオーバーアクションで笑わせてくれます。
特に給食を前にして踊るシーンは傑作。
思わず吹き出します。
「私は給食が好きだ。」
「ハンサムと言ったらアランドロンかと思ってました・・・」
給食廃止の危機にあるのに、甘利田先生は思ったほど闘ってくれるわけでもないんですね。
格好いい学園のヒーローってわけでもないんです。
でもそこが現実的でかえって好感持てましたよ。
とても「いい映画」だと思いました。
ところで、市原隼人さん、前腕部の血管が浮き出ていました。
これは筋トレをやっている証拠ですね。
後方に足を高々と、ピンっと上げるシーンを観ても・・・ですね。
2.「おいしい給食Final Battle」の作品概要
作品概要
作品名:「おいしい給食Final Battle」
監督: 綾部真弥
3.あとがき
実は市原隼人さんの映画を何本かまとめて観たんです。
「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」(2008)
「極道大戦争」(2015)
「ぼくちゅう」はとても面白かったです。
「極道大戦争」は三池崇史監督作品ですが、私にはイマイチでした。
坊主頭の市原さんも格好いいとは思いましたけど。
市原さん、あの渋い顔ですから、むしろ「おいしい給食」のようなコミカルな映画の方がいい味を出しているような気がするんですよね。
今後も期待したいです。
鍛えられた声量.....迫力ある一喝.....「駆込み女と駆出し男」
江戸時代、幕府公認の縁切寺であった東慶寺を舞台に、離縁を求めて寺に駆け込んでくる女性たちのために聞き取り調査を行う御用宿の居候である見習い医師が、様々なトラブルに巻き込まれながら訳あり女性たちの再出発を手助けしていく様を描いた作品です。
一見コメディ作品なのかなと思ってしまいますが結構シリアス、でもその中でも笑えるシーンもあるんです。
1.鍛えられた声量と迫力ある一喝
1)嫌いな自分の声
自分の声ってあまり好きではないですね。
誰しも経験あるんじゃないかと思いますが、録音された自分の声を聴いたりすると、自分で思っている(想像している)声と全然違っていて、愕然とします。
声自体は生まれつきのもので今更変えられないとしても、もっとドスのきいた迫力ある声が出ないものかとは思ったりもします。
単に大きな声を出すだけでは、単に叫んでいるだけ、もしくは怒鳴っているだけで、それは魅力的な声では決してないですね。
聞き苦しいだけです。
2)声量って何でしょう?
声量という言葉には、「声の量」、「声の大きさ」という意味があります。
でももっと大事な意味が含まれているようです。
それは「声の量」ではなく声の「響きの強さ」なんだそうです。
そうか!
「響き」なんですよ。
単純に大きいだけの声は騒音で不快でしかないでしょうね。
声の音量が大きくて、なおかつ聴いていて心地よいと感じる要素には「響き」「共鳴」があるんだそうです。
この「響き」「共鳴」を表現できるようになると、ささやく時と同じくらいの喉の負担で声量が出せるようになるんだそうです。
声量をあげるためには、私は「腹筋を鍛える」というのが有効な方法だと思っていました。
でもそれ以外にも「喉や呼吸をコントロールする」必要があるようです。
筋トレだと私も数十年、あれやこれやと試行錯誤してきて、ようやく自分に合った方法というのをある程度、つかんだ感がありますが、声量という話になると、これはもう自己流のトレーニングではなく、やはり専門の方にトレーニングしてもらうのが最良の道のように思えます。
3)迫力ある一喝
作中、声量ある迫力ある一喝を披露してくれるのが法秀尼役の陽月華(ひづきはな)さんです。
この方は1980年生まれ、元宝塚宙組トップ娘役の方なんです。
道理で鍛えられた声量の持ち主です。
見習い医師の中村信次郎(大泉洋)が大審問において想像妊娠した女性を診るよう要請され、それを断るためグダグダと言い訳をします。
そこで法秀尼が一喝!
ここ「ああ”~~!」(あ に点々ついてます)とも「トオ~~!」とも聞こえるんですよ。
吠える法秀尼?!
当然、信次郎はその迫力に腰砕けになるのですが、思わず吹き出すほど可笑しかったです。
私はこのシーンが本作のベストのシーンだと思ってるんです。
それほどその一声が素晴らしい。「響き」があります。
鍛えている人は違いますね。
2.「駆込み女と駆出し男」の作品概要
作品概要
作品名:「駆込み女と駆出し男」
監督:原田眞人
3.あとがき
本作を観ようと思ったきっかけは満島ひかりさんです。
「愛のむきだし」(2009)ですよね。
本作でも素晴らしい演技でした。
特にあの「虚空」を両手でつかむような仕草は何を意味していたんでしょう?
いまだにあのシーンは目に浮かぶのですが、わかりません・・・
武田真治さんも良かったですね。
テレビのバラエティで観る彼とは全然違います。
本作143分とかなりの長さなんですが、それを感じさせないほど面白かったですよ。
しじみは体に良いんですよ.......「川の底からこんにちは」
上京して5年目、会社も5社目、彼氏も5人目と、仕事も人生も妥協して生きてきた主人公の木村佐和子(満島ひかり)が実家に戻り、病気で倒れた父親の営むしじみ加工工場の再建に奮闘する姿を描いています。
2010年、第36回ヨコハマ映画祭日本映画ベストテン第6位と主演女優賞(満島ひかり)をW受賞、監督の石井裕也は第53回ブルーリボン賞の監督賞を史上最年少で受賞しました。
1.しじみは体に良いんですよ
1)しじみ加工工場 木村水産
本作を観るまでは「川の底からこんにちは」というタイトルはどういう意味なんだろうと思っていたんです。
主人公がどん底から這い上がるというテーマの映画で、それで「どん底」=「川の底」という表現をしているのかな?とか思っていました。
それが「ああ!そうか?!」とハタとわかるシーンがあります。
主人公の木村佐和子(満島ひかり)は、父親が病に倒れたために実家のしじみ加工工場を継ぐわけなんですが、工場再建のために、それまで歌われていた木村水産社歌(これがホントにダサい?!)を変えてしまいます。
この佐和子の作った社歌がとても勢いあっていいのですが、その中に「しじみが川の底からこんにちは」という歌詞がありました。
「そうか?! 川の底にいるのは、しじみか・・・」とここでようやく合点がいきましたよ。
2)しじみの栄養と肝臓
昔から「しじみは体に良い」と云われているんですよね。
今では、どう体に良いかを数値でもって科学的に示すことができますが、昔の人々はおそらく食生活から身をもって、しじみが体に良いことを理解していたのでしょうね。
「黄疸にはしじみを」といわれるほど効果があるとされているようです。
黄疸、おうだん、ですからね。
酒飲みにとっては恐怖のワードです。
黄疸というのは、血液中の赤血球が破壊され肝機能が落ちた状態なんですが、しじみに含まれるアミノ酸、ビタミンB12が肝臓の働きを助け、改善してくれると言われています。
肝臓の機能を活性化させることができ、貧血や二日酔いなどにも効果を発揮するわけなんですね。
私も飲み過ぎた翌日にはよく、しじみスープを飲みます。
コクも旨味もあって、ちょっとしょっぱくて、いかにも体に良さそうな気がします。。。
というのも貝類には、特有の「甘味」と「旨味」があるからなんですね。
甘味を持つアミノ酸を多く含み、旨味の素となるコハク酸を含んでいるためだそうです。
そして、しじみは貝類の中でも最も多くコハク酸を含んでいるんだそうですよ。
美味しいわけですよね。
私のような酒飲みにとっては無くてはならない大事なものなんです。しじみは・・・
なんか「しじみ」の話ばかりになってしまいましたが、「そうかあ、そんな有難いしじみを作っているんだ・・・頑張ってよー」と、そんな思いで本作を観ていました。
でも佐和子の作った新しい社歌を社員(ほぼ、おばちゃん)全員で歌うシーンは出色!
社長(を引き継ぐ)佐和子を先頭に、目をむき出して、前のめりになって歌うシーンはとても迫力あって、強烈な印象を残します。
みんな体が前傾しているんじゃないかと思えるほどで・・・
どこか「怒り」も感じられて。
良かったです。このシーン。
2.「川の底からこんにちは」の作品概要
作品概要
作品名:「川の底からこんにちは」
監督:石井裕也
3.あとがき
何と言っても「満島ひかり」さんですよね。
前半、自分のことを「中の下」と言ってしまうだるーい派遣社員が、後半、開き直って工場再建に突き進む、その開き直りっぷりがむき出しで。。。素晴らしいです。
彼女が出演している他の作品ももっと観たくなりました。
これは好みが分かれるでしょうね~多くを語らないSF映画の傑作........「囚われた国家」
エイリアンによる侵略に対抗する映画ではなく、既にエイリアンに統治されてしまった後の世界を描いています。
エイリアンに支配され、都市を封鎖され、警察とドローンに監視される社会、しかもエイリアンの支配下において人類は最高の繁栄を享受していると信じてしまった人々が大多数の世界。
が、それでもエイリアンたちに対抗しようとレジスタンスを結成する人々もまたいました。
圧政を敷く米国政府に対し、市民が「Light a Match, Ignite a War(マッチをすり、戦争を起こせ)」と声を上げ、人類の主権を奪回する戦い、「革命の始まり」を描いています。
1.これは好みが分かれるでしょうね~多くを語らないSF映画の傑作
1)多くを語らないSF映画
本作を観始めてからしばらくは、わけがわかりませんでした。
なんせ多くを語ってくれません。
すべてを見せてしまわないんですよね。
一番よくわからなかったのは、シカゴ市警に所属するウイリアム・マリガンの役割なんです。
彼は警官ですから終始、レジスタンスのメンバーを追っているわけです。
周りの同僚が「もうレジスタンスなんか起こらない」と忠告してくれるにも関わらず。
でもウイリアム・マリガン演じるジョン・グッドマンがどう見ても主役だよなあ・・・とも思いましたし。
その主役がレジスタンスのメンバーたちを逮捕して終わり??
ずっとその点が引っ掛かったまま、本作を観ていたわけです。
しかしその疑問はラスト近くなって解消されますよ。
以下ネタバレあります。
一つは家庭用ホームビデオの画面。
生まれたばかりのガブリエル・ドラモンドに対しての彼のメッセージです。
「将来は教師か警官だな。
君には心強い味方がいる。
家族だけじゃなくみんなで君を守ってやる。
未来は君次第だ。」
と言って画面に向かって力強くうなずくビル(ウイリアム・マリガン)。
それからシカゴ市警の本部長は、統治者(エイリアン)たちと面談できるということ。
ビルはついに本部長となり統治者たちと会えるようになります。
と、ここまで来て、ようやく私、納得できました。
本作の意図がようやくわかりました。「ああ~そういうことなんだ!!」
もう一つのキーは透明のあれ、ですが、ここでは触れずにおきますね。
2)好みが分かれるでしょうね
本作は冒頭から暗く、しかも地味な印象。
主役がジョン・グッドマンですからね。
けなしているわけではありませんよ。
彼は、コーエン兄弟作品の常連で「バートン・フィンク」や「ビッグ・リボウスキ」などで癖のある脇役を演じて強烈な印象を残している名優です。
でも主演俳優というわけではなかった彼が本作においては主役級ですから。
他には、ヴェラ・ファーミガを除けば、私の知らない俳優ばかり。
だからどうしても華やかさに欠けると言うか、地味な印象に終始します。
派手な戦闘場面もないですからね。
エイリアンたちと戦うといった勇ましいシーンなんかありません。
3)用意周到さに見る覚悟と憤怒
本作では冒頭の2019年のシーンから2027年までを描いていますから、レジスタンスたちは少なくとも8年間準備してきたのかなと思われます。
インターネットなどの現代の情報機器は使えず、様々な手段でメンバー同士、連絡を取り合っています。
メンバーそれぞれ役割があって、それらが明らかになってくる後半はテンポもよく緊迫感ありますね。
そしてその作戦が何とも用意周到なんですよね。
私自身、用意周到に事を進めるとか用意周到に計画する、なんてことが出来ない人間なので、ここまで長期にわたった作戦を遂行できるなんて驚きです。
ちょうど今、池波正太郎さんの「真田太平記」を読んでいるのですが、そこに出てくる忍者みたいですよね。
来るかどうかもわからない「その日」のために、2代3代にわたって地域に溶け込んで準備を怠らない忍者たちに共通するものを感じました。
ここまで用意周到な作戦を準備できるということは、それだけの覚悟あるいは憤怒といったものが底にはあるのだろうなと思いましたよ。
淡々と描かれているのですが、それだけによけい彼らの覚悟が伝わってくる、という気がしました。
ジョン・グッドマン、決して華やかでも劇的にも描かれてはいませんが、渋さと凄みと、そして怒りも感じさせて、彼でなければ出来ない役なんだと思いました。
2.「囚われた国家」の作品概要
作品概要
作品名:「囚われた国家」(Captive State)
監督: ルパート・ワイアット
3.あとがき
エイリアンたちに侵略される映画というと、「インデペンデンス・デイ」(1996)を思い出しますが、まあそれと真逆の映画というところです。
大統領が「Independence Day~!」と叫ぶシーンなど、さすがに高揚しましたが、そういったシーンは一切ありません。
後からジワジワッとくる・・・という感じでしょうか。
ロッテントマトの評価も低いようですね。
でも、本作は私の好みにピタッとはまってくれましたよ。
何度も観るうちにサムライに見えてきた.......「プレデター」
本作は1987年のアメリカ映画。
地上波においても、1989年から2019年の間にもう17回も放送されている誰もが知る作品です。
またAVPも含め既に6作の映画作品がありますね。
本作はその「プレデター」シリーズの記念すべき第一作です。
主演はアーノルド・シュワルツネッガー、本作当時すでに40歳。
他にも元プロレスラー、元ミネソタ州知事のジェシー・ベンチュラなど体格のいい俳優が顔を揃えています。
1.何度も観るうちにサムライに見えてきた
1)サムライの生き方に痺れる
侍を描いた映画・テレビドラマ・小説も好きなんです。
吉川英治さんの「宮本武蔵」は中学生の当時、読んで感銘を受けました。
中学生ですからね、武蔵のそのストイックな生き方に憧れましたよ。
「よしっ、俺も武蔵みたいな生き方をしよう!」なんて思ったものですが、今となってみればぜ~んぜん。
すっかり、お酒大好きオヤジです。情けない・・・
幕末物もいいし、楠木正成とかもいいですよね。
何でそんなあっさり死ねるのか?
現代人から見れば全く理解できない感覚です。
会社員時代、営業先の財務部長に薦められて読んだのが「峠」(司馬遼太郎)
河井継之助ですよ。痺れました。
また、ここのところ池波正太郎さんの「真田太平記」を読んでるのですが、ここに出てくる侍も草の者たちにも痺れます。
いや凄いなあ~、何でこんな生き方ができるのか・・・と現代人は毎晩、ビールを飲みながら・・・面白くてたまりません。
2)サムライに見えてきたプレデター
なんでわざわざ「プレデター」のような古い作品を取り上げたのかというと、面白いのでもう何度も観ている色褪せない作品であり、時々無性に観たくなる、ということの他に、「真田太平記」を今、読んでいるというのも影響しているのでしょうね。
今回また「プレデター」を観たのですが、彼、まるでサムライでした。 もちろん見た目だけの話じゃなくて。
宇宙の様々な惑星を渡り歩き、その惑星に生息する特に攻撃力(兵器力)に富み危険性の高い動物を狩猟することを主要かつ重要な民族的文化としている人型知的生命体として描かれているんです。
「プレデター」は英語だと「Predator」
これは動物学用語で「捕食動物」「天敵」という意味があります。
強い生命体を求めて地球にやってきたプレデターですが、生涯、強い相手を求め続けた宮本武蔵や、天下統一を目指し血で血を洗う戦いを繰り広げた織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ほかのサムライ達と共通していますよ。
そして非武装者は襲わない、とか。
素手の相手に対しては自ら武器を捨て去る、とか。
サムライスピリッツですよね、これって。
そしてネタバレになるので語れませんが(と言ってもこれだけ観られている作品なので今更、ネタバレも何もない、とは思いつつ)プレデターのその見事な最後とか。
「花は桜木、人は武士」潔いです。
強い相手を求めてたった一人で異星にやってきたサムライ。
最後にアーノルド・シュワルツネッガーと1対1で対峙している、その立ち姿を観ていて、格好いいなあ~と思いました。
人間から見ると確かに恐ろしい敵なんですが、でも敵ながらあっぱれ。
プレデター一人に次々にやられていくメンバーたちも良かったですよ。
その逃げないで未知の敵に向かっていく姿が。
この映画はこれからも何度も観るでしょうね。
サムライ・プレデターを観たいので。
2. 「プレデター」の作品概要
作品概要
作品名:「プレデター」(Predator)
監督:ジョン・マクティアナン
3.あとがき
サムライを描いた映画としてはやはり「たそがれ清兵衛」(2002)みたいな作品が好みですね。
一方、岡田准一君の殺陣はもっと観たいです。
それにしても岡田君の「燃えよ剣」はいつ観られるのでしょう?
それから役所広司さんの「峠 最後のサムライ」もあります。
真のサムライを観たいのよ・・・
ボクサーが喧嘩するとこんな感じか.......「3-4✖10月」
本作は1990年の作品。
北野武の監督2作目ですね。
1作目は「その男、凶暴につき」(1989)です。
本作は興行的には惨敗だったようですが、その後、評価が高まった異色の作品です。
1.目が光っていた最強ボクサー
1)ボクシングファンでした
幼いころは相撲ファン。
なぜか大鵬・柏戸・佐田の山・栃ノ海などが載った絵本?!を読んでいた記憶は鮮明に残っています。
そしてプロレスファンとなり、それからボクシング。
最も印象に残っているのは大場政夫でしょうか。
テレビにかじりつくように観ていましたよ。
漫画も勿論のこと「あしたのジョー」「がんばれ元気」など熱心に読んでいました。
2)具志堅用高の登場シーンで
モハメド・アリが「象をも倒す」と言われたジョージ・フォアマンを倒した「キンシャサの奇跡」
興奮しましたね。
それから層の厚い中量級における「石の拳」ロベルト・デュラン、マービン・ハグラー、トーマス・ハーンズ、シュガー・レイ・レナードたちの争いとか、面白かったですよ。
でも試合数で言うと最もよくテレビで観戦したのは具志堅用高だったと思います。
なんせ13回連続世界王座防衛していますから。
それはよく観てるはずです。
今でも思い出すのは何度目かの防衛戦のこと。
リングまでの花道を歩いてくる具志堅用高の目がナイフのように鋭く光っていたんです。
ボクサーがリングに上がるまでは会場は真っ暗ですから、目の光だけがよく映えていたんですよ。
野生動物でもないのに。人間の目が。
よく「眼光鋭い」とか「目が光を放つ」とか表現されますが、本当にそういうものがあるとその時初めて実物を見て驚いたことをよく覚えています。
本当に、具志堅の目はナイフのようにギラっと光っていたんです。。。
相当な練習を積んだのだろうなと、でなければあんな人間離れした眼光は出せない、と思いましたもの。
当然ながらその試合は圧倒的に具志堅が強かったです。
2.元ボクサーのパンチ
本作の中で元ボクサーの渡嘉敷勝男がパンチを振るうシーンが2~3あったと思います。
「ああ、これは本物のボクサーのパンチだ」と感心しましたよ。
無駄な動きがありません。
スッと相手の懐に入って、ワンツー。
それだけです。
地味です。
でもちゃんと腰の回転で打っているんですね。
基本ですよね。
決して派手さはないものの、本物でした。
本作、とても面白かったのですが、観終わってしばらく経つと、渡嘉敷のパンチだけが強烈に印象に残っているんです。
3.「3-4✖10月」の作品概要
作品概要
作品名:「3-4✖10月」(さんたいよんえっくすじゅうがつ)
監督: 北野武
4.あとがき
具志堅が14度目の防衛戦で敗れ引退した後はあまりボクシングも観なくなりました。
なのでその後、世界タイトルを獲った渡嘉敷の試合も観た覚えはありません。
まさか映画の中で彼のパンチを観ることになるとは・・・
ところで、本作でタンクローリーで突っ込んで大爆発するシーンですが、これ観た瞬間、1971年のアメリカ映画「バニシングポイント」(Vanishing Point)を思い出しました。
後から知りましたが、本作「3-4✖10月」に国外配給においてつけられたタイトルですが
「Boiling Point」
何かそこに意味はあるのでしょうか? ないのでしょうか? どうなんでしょうか?
いや、考えすぎかもしれませんね、これは。
それより石田ゆり子さん!
彼女演じるサヤカが何の抵抗もなくすっとタンクローリーに乗っちゃうシーン。
実はこのシーンに一番、驚いてしまいました。
1974年のジャーマンスープレックス.....「デッドプール」
「デッドプール」は「デップー」の名でも知られる、マーベル・コミックを基とした作品です。
「X-MEN」の映画シリーズとして累計8作品目となります。
1.1974年のジャーマンスープレックス
1)1974年3月19日
1974年3月19日といえば、蔵前国技館(懐かしいですね!)にて、アントニオ猪木と新日本プロレスに移籍したストロング小林が対戦した大一番。
テレビ中継もされ、沸きに沸いた世紀の一戦でした。
小林はそれまで国際プロレスのエースだったので、エース級の大物日本人レスラー同士が対戦するという一戦でした。
私も当時、一番プロレスに熱中していた頃だったので、テレビにかじりついて観たような記憶があります。
試合は、29分30秒、猪木の「ジャーマンスープレックス(ホールド)」で決着しました。
このフィニッシュが凄くて「猪木史上もっとも鬼気迫るジャーマン・スープレックス・ホールド」とまで言われていました。
2)ジャーマンスープレックス
ジャーマンスープレックスというのは投げ技なんですが、それを初めてプロレスに取り入れたのが神様カール・ゴッチ。
彼がドイツの人だということで「ジャーマン」と冠せられたそうなんです。
(実際にはベルギー生まれだと言われていますが)
相手の背後から腰に両腕を回して固め、そのまま相手を後方へと反り投げ、自分がブリッジした状態でフォールを奪う技なんです。
単に投げるだけならスープレックスで、ブリッジした体勢でそのまま3カウントを奪うのがスープレックスホールドと呼ばれるものなんだと思います。
3)キレキレのアクション
本作「デッドプール」でこの「ジャーマンスープレックス」が観られたんですよ。
フランシスの施設で、フランシスとウェイド/デッドプールが闘った際に、フランシスがこの技を仕掛けるんです。
観た瞬間「おおっと、これはジャーマンだ!」と思わず興奮。
いや、こんなところであのスゴ技が観られるとは思いませんでした。
技を仕掛ける方も、受ける方も大変ですからね。凄いです・・・
饒舌で軽妙で下品で、第四の壁を無視して観客に語りかける、しかし不死身でアクションはキレキレ、という従来にないヒーローのデッドプール。
面白かったです。
108分があっという間でしたね。
それとちょっといいセリフがありましたよ。
See ?
You don't need to be a superhero to get the girl.
The right girl will bring out the hero in you.
4)ジーナ・カラーノ
女子総合格闘技の世界から女優に転身したジーナ・カラーノも出演しています。
鋼鉄の身体で怪力のコロッサスの腕を固めるシーン(三角締めではなく腕だけ固めていた)など見応えはありましたが、私としてはもう少し彼女の格闘シーンがあれば言うことなしだったんですけどね。
派手さはないんですけど、総合の技を様々見せてくれるので彼女の出演作はずっと注目しているんです。
やはりスティーブン・ソダーバーグ監督による「エージェント・マロリー」(2012)が今のところ最高かな・・・
2. 「デッドプール」の作品概要
作品概要
作品名:「デッドプール」(Deadpool)
監督: ティム・ミラー
出演: ライアン・レイノルズ
モリーナ・バッカリン
ジーナ・カラーノ
3.あとがき
デッドプールがあの「デビッド・ベッカム」を揶揄するシーンがあるのですが、この部分、日本語字幕ではかなり抑えた表現になっていました。
でも実は、英語字幕を観てみると結構、強烈なことを言ってます。
是非、英語字幕でも観られたらいいと思いますよ。